金西寺開山記『當寺御開山御真筆』 | 戦国未来の戦国紀行

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 「本能寺の変」(天正10年(1582年)6月2日早朝)の翌月「天正十年壬午初秋下澣」に書かれた金西(こんさい)寺(愛知県豊橋市下条東町)の開山記『當寺御開山御真筆』で、筆者の江湖散人(「京都五山」の東福寺第223世・集雲守藤の別号)が、織田信長を痛烈に批判していることが判明し、昨年(2017年2月1日)、公表された。

 

 『當寺御開山御真筆』は漢文(全文字漢字)で、楷書であるので、誰もが読めそうであるが、異体字などが多くて読めない。たとえば、「かざる」は「飾」ではなく「餙」であり、「ちりばめる」は「鏤」ではなく「彫」である。

 そこで、すぐ近くの大学に解読を依頼したところ、織田信長を「黒鼠こと平清盛の再来」「第六天魔王の化現」と批判し、その織田信長を討った明智光秀を「勇士」と書いてあることが分かったという。

 

>黒鼠清盛是再来(「黒鼠」の清盛、是(これ)、再来。)

>六天魔王現形否(六天の魔王、形(かたど)りを現るや、否や。)

 

※豊橋創造大学 経営学部 経営学科
http://ba.sozo.ac.jp/archives/5638

 

 「黒鼠」に例えられたのは、道鏡、平清盛、土一揆に次いで織田信長が4例目であり、「黒鼠清盛是再来」のベースは、『野馬臺詩』の「黑鼠飡牛腸」だという。とはいえ、『當寺御開山御真筆』は、基本的には、南化玄興が安土城の完成を祝った『安土山記』のパロディで、たとえば「麒麟」については、

 

>「鳳凰現瑞麒麟呈祥者非今時何時乎」(『安土山記』)

>「鵉凰伏竄鴟鴞翥/麒麟潜隠犬猿趍」(『當寺御開山御真筆』)

 

とあり、「鳳凰や麒麟が現れるのは今をおいていつであろうか、安土城が完成した今しかない」と賛美する『安土山記』の記述を受け、『當寺御開山御真筆』では、「鵉凰(鳳凰)は伏隠し、鴟鴞(鴟鵂)が飛ぶ。麒麟は潜隠し、犬猿が走る」(平和な世が訪れると、それを祝って、鳳凰が大空を翔(か)け、麒麟が大地を駆(か)けるというが、鳳凰も麒麟も隠れ、空にはミミズクが飛び交い、地には犬や猿が走り回っている)と不吉な描写に変えられている。

 

 そういえば、昨日、「家紋ビスケット」が販売開始されたはず。

 まだローソンへは行ってない。

※エース家紋ビスケット
https://www.lawson.co.jp/recommend/original/detail/1345784_1996.html