早いもので完全退院から九年の月日が経った。
市内の幹線道路のイチョウ並木が黄色くなってくると、今でも感慨深げになるものだ。
そう、あの退院の日、真っ青な快晴で、黄金色のイチョウ並木。
なんだか私の退院祝いのように見え、眩しくて目を細めたっけ。
今でもあの時のことを思い出すと、涙ぐんでしまう。
お天道様が「大丈夫だよ」と応援してくれている気がした。
コロナ禍の中、お陰様でなんとか元気に過ごせている。
普通の毎日が、本当にありがたい、有難い。
あの頃は一人、感染を気にしてマスク着用、うがい手洗いの徹底、除菌グッズの持ち歩き。
今は、多くの人がそうしている。
みんなで乗越えていくという心強さを感じるのも、白血病元患者の気持ちだろう。
長期入院していたことは、親しい人たちも忘れているだろうな。
そろそろ、ワタシ急性白血病を患っていたの、と何気なく言ってもいいんだろうが、逆に今さら言えない。
いや、わざわざ言わなくていいかなと。
しかし、周りでがん告知、がん治療を始める方がチラホラ現れる。
抗がん剤の影響で、白飯食べると吐き気がする、脱毛で頭皮が心配。
そっと、私の体験談を伝えたりする。
自分もそうだったが、患者同士の体験談が一番参考になるし、心強いんだよね。
白血病を患ったことは、どの病気よりも衝撃的なことだった。
今でも、治療でがんばっている患者さんのブログを訪問して、届いて欲しいと応援の気持ちをポチっと。
先生方や病棟の看護師さんたちも、変わらず患者さんたちと向き合っているんだろう。
ただただ、感謝の気持ちでいっぱい。
相変わらず仕事と合間に山林作業したり、通勤は徒歩、30分くらいなら歩いて移動。
二年前に始めたサルサも、諸事情で中断もあったが先月から再開できた。
新しいヒールサンダルを買ってみたが、下手はへた(笑)。
でもいい、楽しいから。
先月は近郊の低山を相方と2か所登山(トレッキング)。
体力もつけたいね。
旅行が好きだけど、今年は無理、来年もどうなるか。
近場をふらふらと再発見もまた嬉しい。
また一年、美味しいこと、楽しいことがいっぱいでありますように。
がんフレンズの皆さん、そのご家族も、元気に過ごされることを祈っています。