「えっ!最終入場15時?
2分過ぎただけじゃん。ここまで来たのに?」
「すみません。規則ですから。」
「そこをなんとかしてっていってんじゃん!」
「バカ!
規則は規則!係の人困らせてどうするんだよ?
すみませんでした!また来ま〜す!」
「はい。お待ちしてます。」
「なんだよ…
せっかく来たのに…」
「また来よ。」
バス乗ってはるばるきたのにさ…
てか、また来よって…
別に俺ら友達じゃないのに、またっていつ来んだよ。
「ふふふふふっ。
あんなに係の人にかみつくなんてよほどプールで遊びたかったんだ。」
「別に。
でもせっかく来たから夏の思い出作りたかっただけ。」
「夏の思い出ないの?」
「まぁ、今のところ。
てか、まだ夏休み始まったばっかだし。」
「そうだな。
てか奇遇だな。俺も夏の思い出いっぱい作りたいなって思ってるんだ。」
「てか、お前はどこかに向かってたんだろ?こんなところで寄り道してていいのかよ?」
「俺は特に何の予定も目的もないからご心配なく。」
コイツはマジて何者なの?
目的もなく放浪してるってわけ?
「ねぇ、歩いて帰らない?」
「えっ!?歩いて?
ここからだと3時間くらいかかるよ?」
「いいじゃん。3時間なら夕飯までには帰れる。今日の夕飯なんだろうなぁ〜
オムライスがいいなぁ〜」
「だったら帰り道にファミレスあるからひとりで食って帰れば?」
「いや、君のオムライスがいい。」
「は?また俺が作んのかよ?」
「だってナポリタンめちゃくちゃ美味しかったもん。」
「けどオムライスは作ったことねえし。」
「大丈夫だよ。味似てるじゃん。」
「ケチャップ味なだけだろ?」
「大丈夫だよ。」
「ならお前が作れよ。」
「俺は出来ねえもん。
ほら、つべこべ言わずに歩く!
早く帰らないと日が暮れるぞ。」
「あ、ちょっと待ってよ!」
「待たねぇよ〜
てか、競争しようぜ!」
と、走り出した。
競争だというから負けたくなくて必死で追いかけた。
あちいのに、思いっきり走ったから汗だくで、
コンビニでアイスを買って食べた。
汗だくで食べるアイスは最高で…
「君の一口ちょーだい!」
「あっ!」
「美味い!やっぱソーダ味サイコー
俺のみかんもいる?」
「うん。」
「はい。」
彼のみかん味のシャーベットを一口かじった。
「甘酸っぱくてうまい…」
「夏のアイス最高だよな。」
「うん。」
「でも溶けてきて手がベトベト…
早く食おうぜ!」
こんなふうに友達と外で遊ぶこともないから、ただアイス食うだけなのに夏の思い出ができたって思った。