しょぉぉぉーーーって、俺を呼ぶ声が聞こえた気がした。
振り返ると潤がバスを追いかけてて、翔が好きだって…
ドバドバと涙が溢れてきた。
苦しくて苦しくて苦しくて…
息ができなくて、嗚咽を漏らして泣いた。
そんな俺を見かねて、隣のおばあちゃんが俺の背中をさすってくれた。
ごめんな…潤。
やっぱり俺は潤のこと幸せにしてやれないから。
だって俺と潤は住む世界が違うから。
だから、潤は潤の幸せを見つけて幸せになってほしい。
「せっかくの夏休みなのに悪かったな。」
「いえ。」
「でも予定時間より早く帰ってきたんだな。
どうした?
そんなに目を腫らして。」
「大丈夫です。」
「大丈夫じゃないだろ。」
「大丈夫。
俺、頑張るからもっともっと新しい仕事をください。
思い出さないくらい…」
「何があった?」
「ううっ…」
また涙が溢れてきた。
涙が止まらなくて、そんな俺の背中を松井さんは優しくさすってくれた。