るろうに剣心 京都大火編/佐藤剣心もいいけど田中翁がすげえ! | 調布シネマガジン

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るろうに剣心 京都大火編

和月伸宏の人気コミックを実写映画化した第二弾。最初の作品は2012年公開なので2年ぶりだ。主演の佐藤健やヒロインの武井咲、青木崇高、蒼井優、江口洋介といった前作からお馴染みの面々に加え、今回は宿敵・志々雄真実に藤原竜也、その部下に神木隆之介、そして剣心を付け狙う元公儀御庭番の四乃森蒼紫に伊勢谷友介らも加わった。それにしてもたかが漫画の実写化と侮る無かれ、これは面白い!今回のお話は剣心が人斬りをやめたあとにその役を継いだ志々雄真実の野望を阻止するというもので、前後編の前編にあたる。

もちろんその為に登場人物をしっかり描いている分、物語全体のクライマックスは後編である伝説の最期編に譲ることになっていた。ただ、それでも剣心の魅力はたっぷりだし、何より最大の見せ場である殺陣シーンはふんだんに用意されている。それにしても、佐藤健は見た目からして現代風若者でありながらその殺陣の上手さには感心するばかりだ。最近では『十三人の刺客』の松方弘樹の殺陣に唸らされたものだが、その昔ながらの殺陣に今風の…というか漫画というフィクションを重ねあわせて昇華した殺陣と言っても良いかもしれない。

ただそれと同じかそれ以上に俺が今回気に入ったシーンは、四乃森蒼紫と翁こと柏崎念至の公儀御庭番衆対決だった。剣心を付け狙うあまり修羅の道に堕ちた蒼紫を翁がなんとか正気に戻そうとする、いわば本作のクライマックス番外編だ。蒼紫を伊勢谷友介、翁を田中泯が演じているのだがこれが凄まじい迫力!特に田中泯は68歳でありながら、ダンサーとして鍛えたその身体のキレは半端じゃない。剣を操りトンファーに持ち替え、自分より30歳も若い伊勢谷友介と渡り合う姿には問答無用で魅入られるハズだ。

伊勢谷友介だって『あしたのジョー』の力石役で実際に極限まで減量するなど、役に対するストイックさには定評があることで知られている。しかし実際に現場ではあまりのキツさに彼がマッサージを受けているのに、田中泯は飄々と帰っていったそうだ。そりゃ伊勢谷が「かっこいい、悔しい」と漏らすのも解る。あの存在感、あの数分間は劇場は間違いなく田中泯のものだったと言える。最後に登場する福山雅治演じる謎の男、いよいよ次回で全ての決着がつくが、藤原竜也がどう本領を発揮してくれるかも楽しみだ。

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1 るろうに剣心
2るろうに剣心 伝説の最期編

ストーリー:かつて人斬り抜刀斎と呼ばれた伝説の人斬り、緋村剣心(佐藤健)。刀を置き、平穏な生活を送る剣心は、ある日、剣心から影の人斬り役を引き継いだ志々雄真実(藤原竜也)が京都でその名をとどろかせていることを知る。政府が派遣した討伐隊は志々雄を前に成すすべがなく、最後の望みとして剣心に白羽の矢が立つ。志々雄の野心を阻止すべく、剣心は京都へ向かう。(シネマトゥデイ)