イメージに関わる色相とトーンを適切に選び最適解を出す | カラーエージェント染川千惠の style creation

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株式会社スタイルクリエーション代表染川千惠のブログです。
カラー(色彩)とイメージに関わる仕事について、現場のこと、知識のことを書いています。
カラーリストへの情報が豊富なブログになるように更新していきます。




色彩学の中では、色相と呼ばれる色みの違いを表す概念と、
トーンと呼ばれる色の雰囲気の違いをグルーピングする概念があります。

色相というのは、赤、青、黄などの色みの違いのことで、
トーンというのは、明るくて濁った色のグループ、
暗くて澄んだ色のグループというものです。

色相の違いによっても、トーンの違いによっても、
表現されるイメージが変わってきます。

例えば、赤は行動的で情熱的、青は冷静で知性的などというのは、
色相の違いによるイメージの違いです。

ビビットトーンは派手、ダークトーンは大人っぽいなどというのは、
トーンの違いによるイメージの違いです。

そしてここからがポイントになってくるのですが、
色相が赤で、トーンがペールトーン(パステルカラーをもっと薄くした色)の場合、
どうなっちゃうんですか?ということ。

基本的にはトーンのイメージが優位になります。

ペールトーンの赤色というのは、見た目が淡いピンクになりますから、
行動的や情熱的には見えづらく、
優しいとか、かわいいといったイメージが優位になります。

このように、色の世界では、
雰囲気やセンスだけでなく、その色が持つイメージに理論や法則性があります。

こんな時には、この色相、このトーンが適切。
という答えがあります。

ただ、それはたった一色のどんぴしゃな色であることはなく、幅があるものであり、
その中で許容され、なおかつ他の条件も踏まえた色を選ぶ。

カラーコンサルタントは、色の理論を駆使しながら、
こういった分析と提案をしていきます。


ビジュアルの要素を分解すると、色、形、質感に分けられます。
さらにその中の色についてを分割して、色み
明るさ、鮮やかさの各属性に分けたり、組み合わせたり、調整したりする、
そんな作業をします。

物理的な条件だけでなく、心理的な条件も踏まえながら、
心理条件も感覚ではなく理論に基づいて精査し、
色の最適解を導き出します。