[将棋]女流名人戦第3局、野田市大盤解説会 | 福間香奈さんを応援するブログ!

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 昨日、千葉県野田市で行われた女流名人戦第3局は西山女流名人が勝って通算1勝2敗とし、タイトルの行方は2/25広島での第4局以降に持ち越されました。

 

 

 昨日は私も現地大盤解説会に行ってきました。対局場の野田市いちいのホールまでは家から2時間半くらいかかるので近所ではないですが、過去に何度か行ってるし、遠くて行けないという距離ではなし。大盤解説会のホールは収容人数100人足らずの小さい会場ですが、ちょうど良い大きさとも言えるし、私は最前列に座れたので目の前がすぐステージでした。

 

 13時に解説会がスタート。解説は立会人の村中七段、聞き手は和田はな女流1級でした。通常の大盤解説会だと、立会人とは別の棋士が解説会を担当し、立ち合い人が少しだけ交代でステージに来るケースが多いのですが、今日は村中さんが全部やられてました。理事で現地に来ている人が大盤解説会場に顔を見せるパターンも多いですが、昨日は清水女流七段ではなく中継ブログを見ると片上七段が来られていたようですが大盤解説会場には登場せず...。

 

 聞き手の和田はなさんですが、昨年のマイナビ一斉対局、白玲戦の第1局前夜祭と、この半年ほど遭遇確率が高く、自分の娘くらいの年齢のはずなのでついつい心配になって頑張ってねって思っちゃいます。昨日は実際に頑張ってましたし、終局時に村中さんがいったん対局室に戻り、局後インタビューが終わって両対局者と戻ってくるまでの間は、一人で大盤解説会場の現場対応していましたが、お客さんからの質問を受けるなど立派な対応ぶりでした。

 

 終局後の両対局者。白玲戦、清麗戦などと違って和服ではないのでその影響で印象が変わる部分があったかもしれません。この日勝った西山さんは、もともと長身の方ですが、薄手の洋服だと少しやつれて痩せたようにも見え、いつもと同じように静かに話しているだけなのでしょうが、姿だけだとむしろ敗者だったかのようにも見えました。ずっと優勢をキープしつつも勝ち切るまでが大変な一局だったので、42.195kmを走り終えてふらふらと地べたに倒れ込む寸前のマラソン選手のような様子でした。一方の福間さんも、いつもとそれほど変わらないのかもしれませんが、一見すると怒っているような表情にも見えて、最後まで死力を振り絞って戦い切った興奮が収まりきらぬという様子でした。会場に入ってきて直ぐは、鼻孔を膨らませて、あたかも短距離トラックを全力疾走した直後で息遣い荒くとでもいうような顔つきでした。(全部、私の思い込みで気のせいかもしれませんが...。)

 

一局を冷静に振り返る西山さん。

盤面を見ながら少し表情も緩んできて、話す調子もだんだんと穏やかに戻ってくるようでした。

最後、次局に向けてまた頑張るとのご挨拶でした。

 

 対局の内容ですが、先手西山女流名人が▲7八飛、後手福間女流四冠が△5四歩と、開幕戦とは違ってまた二人のメインロードに戻った感じの出だし。西山さんは三間飛車、金無双志向で戦形を決めつつ玉の守りを形成していくのに対して、福間さんは居玉のまま、左右の銀を4段目まで押し上げ、居飛車なのか振り飛車のなのか、なかなか明示せず。後手の方が苦労しそうに見えつつも、局面が力戦系になっているとすれば、先手も普通に囲ってよしという訳でもなさそうで、結局はこの二人の独自世界に突入していった感じでしょうか?

 福間さんが結局居飛車とし、銀損から8筋に歩を垂らして攻めて行った辺り、解説の村中七段は後手が指し易そうとの見解でしたが、その後▲7四歩以降、捌ける形で と金も出来て、こうなってみると先手良しかと。その後は一方的な展開になりそうな流れもありましたが、後手の△7三飛という好手でまた局面はもつれ第2ラウンドに突入したかもしれませんが、最後は▲1一銀成と2二に飛車を打つスペースを作り、その飛車が▲2五飛成と後手の桂馬を抜いて、やっぱり今日は西山女流名人にうまく一局を支配されてしまったかなという結果になりました。

 そもそもというか、福間女流四冠の指し回しは玉が薄くて苦労が多い気がしますが、それは百も承知で、事前準備の段階で出来るだけリードを奪おうというより、対局の中で考えながら(場合によってはそれを楽しみつつ)勝利を目指すという姿勢なのかなと。タイトル戦なので結果が大事とは言え、勝利を目指すのと同じくらい実戦でこそ学び多しという気構えに感じられます。そうやって戦えていること自体を喜びに、自分のエネルギーに変えているとでも言いますか...。

 

 番勝負としてはまだ一つリードした状態で、次の第4局に注目です。