レンタルビデオ
アメブロというものらしい。
色々なことが出来るそうなのだが、今までと変わらず、日常で卑屈な思いをした時か、ビッグコミックオリジナルで何かの発見があった時、にだけ更新するといった日記になるかもしれないので、色々はいらないかもしれない。
この前、ふらりと変なレンタルビデオ屋に入ると、
かなり昔に探していたのにどうしても見つからなかったビデオを発見した。
「人間蒸発」という変なドキュメンタリー映画である。
特に今でも見たい訳ではなかったが、ツタヤもゲオも探しまくった十年ほど前の思い出が甦り、ついつい借りてしまった。
内容はというと、ある蒸発した男の人の行方探しと、その周りの家族や婚約者を追った社会派ドキュメンタリーのようなそうでないような、といったもの。
かなり長い作品の上、捜索もあまり、というか全く進展が無いので、正直ダレダレだった。
だったのだが、そこここに面白いところも多かった。
へえ、と思ったのが、中盤辺り。
この辺りで、正直ダレダレになってると作り手サイドも思ったのだろうか。
いきなり映画の中でスタッフ会議が始まって、監督の今村正平(イマヘー)が
「このままだとつまんないから、もっと家族とか婚約者の人とか焚きつけちゃって、情念的な話に持ってこうよ!」
みたいな、みもふたもない提案をするのだ。
確かに、その気持ちは、分かる。
僕も心霊スポットに行ってビデオを回したりしているが、たいてい面白いことなど何も起きないので
「おい、そこに泡ふいて倒れてくれよ」
などと同行した友達に頼んだりもする。
「これから帰る訳だけどさ、なんか数日後にね、君が何者かに追われているかのように怯えきった姿を目撃された末に自殺とかすれば、このビデオも箔がつくのになあ!」
とか。
まあ、僕の場合は、映像の中で言う勇気はないので、友達の側でぽつりと独り言を漏らすだけなのだが。
そんな共感が得られただけでも、十年越しにこの映画を観れて良かったとも思ったのだが、さっきネットで調べてみたら、とっくの昔にDVDが発売されていた。なんだよ。