MENSHO @文京区 ~「挽きたて小麦つけめん」 | としくんの「ぶらぶラーメン日記」

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MENSHO
文京区(護国寺)


【注文】挽きたて小麦つけめん
【価格】 1000円

[訪問時期] 2017年1月中旬(平日) 昼
[注文方法] 券売機にて
[出汁] 鴨/清湯
[味] 塩
[麺] 中太麺(200g位)
[具] (麺)鴨ロース、若芽中芯、ケール、三つ葉、(汁)刻み葱



午前半休のこの日、並ぶ予定だった大塚の某店が臨休と知り、2軒目候補だった当店へ。



前日の麺友さんのレポ通り、客足は落ち着いていて開店時のシャッターズは6名。
定刻5分前に朝礼が始まるが、これがまるでピッチに出る直前のラグビーチームのような雄叫びスタイルで、当然店外にだだ漏れ。
終了と同時に開店し、どういうテンションで迎えられるのかと身構えれば、スタッフは皆落ち着いて物腰柔らか。
物凄いギャップがある(笑)




スタイリッシュな店内の様子は、既に皆さんが紹介されている通り。
因みにこの物件は普通に不動産情報で借りたとのことで、「ちゃぶ屋」跡地を意図的に狙っていたのでは無いようだ。
いずれにしても、これだけのバックヤードを備えるスペースを借りられる店は限られる。




序章
届けられた温泉水のお冷やを慎重に味わい、蘊蓄書きに気を取られる内に、ふと気付くと目の前には麺皿が置かれ、ぐい飲みに入った温泉水も添えられている。
先ずは麺を温泉水に浸けて味わって下さい、との説明に従う。
生憎駄舌なので効能は良く分からないのだが、見栄でうんうんと頷く自分がいる。
こんな感じで、お店が用意したプロローグにフェイドインしていくのは、正にテーマパークのような手法に思える。
やがてつけ汁が供され、メニューの全貌が明らかになる。



麺と麺上の具
ガラス張りの大きな製麺室で、電動石臼を使って製粉した「挽きたて小麦」による自家製中太麺
小麦の玄麦を買い付けるところから始まるとのことで、こんなスケールの大きい話は聞いたことがない。
褐色の色合い、ザラザラでボソッとした食感、沸き立つような小麦の風味は、どうしても某店の全粒粉率70%の黒全粒粉麺と比較したくなるが、インパクトは当店が勝る。
組成の問題なのか茹で方なのか、かなり硬質感があり、注意しないと引っ張りだす最中に千切れるほど。
麺量は200gを僅かに超える程度か。




麺上の具は2枚の鴨ロース、若芽中芯、ケール、三つ葉。
「岩手がも」のロースは皮面を焦がし、じっくりと低温調理されたもの。
しっとり保たれたレア肉に熟成されたかのような旨味、やや濃いめだが嫌味のない味付け。
大ぶりで超美味しく、次回以降は必ず追加しようと思った。
徳島産の若芽中芯(茎)や兵庫産のケール(青菜)等、確り吟味された差別化素材を使い、またそれらがハッとするほど美味しい。




つけ汁
つけ汁がまた素晴らしい。
「岩手がも」と数種の野菜のみで取った淡麗清湯塩で、鴨が穏やかに、でも確りと存在感。
各地のブランド塩を4種類ブレンドしているようだが、つけ汁としては最小限の塩梅が鴨感と麺の風味を際立たせている
つけ汁に浮かぶのは小口切りの青葱のみ。。。これ以上は不要だろう。



いよいよ麺をつけ汁に浸けて啜ると、食感は一気に変わっていく
あれほど強かった硬質感は消え、「麺が変わったように」柔和になるのだ。
それでも僅かに麺芯に残る歯応えやボソッとした食感は健在で、試しに鼻を摘まんで咀嚼してみると、十割蕎麦を食べているかの錯覚に陥る。
そして鼻を開放した瞬間に、堰を切ったように小麦風味が溢れ出す。
かなり個性的で美味しい麺であることは事実で、この個性は素直に素晴らしいと思うが、ラーメン店で食べる麺としてどうかと問われれば、意見の分かれるところかも知れない。
因みに個人的にはちょっとやり過ぎの感じもする。



スープ割りをお願いすると、わざわざ小鍋で熱した出汁を注ぎ、葱を足して戻してくれる。
ジビエ感も伴うフレッシュな鴨出汁が、蘇ったように攻めてくる。
このスープ割りも絶品だ。



■ 感想など
店内全てがオープンキッチンのような空間、お客の期待値を高めていくプレゼン的配膳。
普段ラーメン屋さんでは感じない、テーマパーク的な非日常性が色濃い。
その中でいただく一杯は格別の美味しさだった。
超個性的な麺について、あの店の黒全粒粉麺を超える蕎麦感はややラーメンの枠を超えているように感じたが、非日常の延長と捉えれば必然なのかも知れない。

そして壁面に溢れる英語また英語
何やら既に某格付けサイトを意識したコンセプトメイクのように感じるのは、私だけだろうか。

今月中にはメニューが出揃うと仰っていた。
再訪しなければならないお店だ。

ご馳走さまでした