配信を見た。タイトル、例によって長い。

「村元哉中・高橋大輔『LAST DANCE』〜かなだい最後の戦いに完全密着〜」前編。




繰り返される練習の風景。

なめらかに不自然さもなく繰り出されていく要素。大輔さんは本当にアイスダンサーになったんだなと思う。


ふと、大輔さんがアイスダンス転向したときのメリル・デイヴィスの言葉、「ダイスケがアイスダンスにどのようなものを与えるのか」を思い出す。

かなだいは、アイスダンス競技の世界に何をもたらしたか。

…「ソーラン節&琴」は斬新だったけれど、世界で脚光を浴びるほど国際試合には出れなかった。

今季の世界選手権の演技は目を見張るものだったろうけれど、世界のトップクラスまでは行ってない。

「オペラ座の怪人」を長く記憶に留める観客は、ファン以外でも大勢いただろうなとは思うけれど。




やっぱり、この練習風景が表すものこそが、大輔さんがアイスダンスに与えたものかもしれない。

アイスダンス挑戦3シーズン目で世界選手権に挑むのに、周りの皆はリズムダンス落ちの心配をしないくらいの存在になっている。

これって、よく考えれば奇跡みたいなものだ。日本語の詩人が、英語を学び一般の読み手を唸らせるほどの英語の小説を書いたようなものだよね。


そんな姿を見ると、頑張れば自分も奇跡に手が届きそうな気がしてくるのだ。


いや、平凡で怠惰な生活の私には奇跡なんて関係ないけど。

ただ、競技選手たちはそうじゃないだろう。

手を伸ばし、そして努力を積み重ねていけば、不可能と思えたこともに手が届くかもしれない。そう思って日々努力を積み重ねている競技選手にとっては、3シーズンでこれだけの演技をするようになったかなだいという存在は、自分にも奇跡はつかめるかもという力を与えているかもしれない、なんて思う。


まあ私のような凡人に競技選手の心情なんて分かるわけないじゃんと言われればそれまでだけどね。




繰り返されるフロリダの練習風景。ナレーションすらもなく。

包丁が研がれていくように、少しずつ磨かれていく過程をただ見る。


いやー、幸せだった。

(とはいえ、これってファンしか需要はないよねえ。)


インタビューも、スカイコートの物件紹介も、DーCOLOR COLLECTIONの小物入れの紹介も、かなだいの二人がかっこよくて可愛くて目の保養だったけれど。


でもやっぱり、練習風景がただ流れているのを見るのが最高だった。