50代の起業家が伸び悩む最大の原因について
わたくしはコンサルタント業で起業して、約20年、110億円売上げました。2万回以上、コンサル指導をしてきて、中には50代の人の起業コンサルも何人もさせて頂きました。
しかしながら、
50代の人の成功率は、30代や40代の人より低くなっております。ここで言う、成功とは目標達成出来たとか、とりあえず3年間以上、事業を継続出来たということを指しています。
50代の人の特徴であり、起業しても伸び悩んで、挙げ句、廃業や倒産する人の共通点は、
自我へのこだわり です。
自我へのこだわりとは、
自分のやり方や考え方を押し通そうとすることです。
50代で起業する人は、それまでの人生で得た知識や手法、それに価値観を持っていて、それにある程度の自信があるのは当然です。しかし、それが過剰になると、周りの意見や状況に対応できなくなります。
例えば、
自分の商品やサービスに対して、自分目線で価値を決めてしまうと、市場、つまりターゲットのニーズに合わない可能性が出てしまいます。また、自分のやり方に固執して、新しい情報や知識を取り入れないと、時代に取り残されるかもしれません。さらに、自分で全てをやろうとして、人に頼ったり協力したりしないと、効率や成果が低下するでしょう。せっかくお金を払ってコンサルタントを雇っても、コンサルタントの指導や提案をすんなりとは受け入れません。これは、不合理な状態です。なぜなら、成果を得たことがない自分自身なのに、本人が成果を上げてきた、さらに多くのクライアントの成果を上げてきたコンサルタントの考えよりも、自分の考えを優先してしまうからです。
50代で起業する人は、自分の強みや弱みを客観的に見つめ直し、柔軟に対応できるように心がけることが大切です。
自我へのこだわりは、起業の成功を阻害する要因になります。可能性を下げてしまいます。
自分の考えを見直すことは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、成長の証だと思います。わたくしがよく教えていることの一つに、「勇気をもって、訂正する」ことがあります。
自分の考え方、やり方というプロセスよりも、結果にこだわるほうが幸せになります。
自分の考えが「全て」だと解釈するのではなく、「他にも」何か良い考えがあるかも知れないという余裕を持っている人が、50代から起業して成功している人です。
何事も、度が過ぎると、ろくなことはアリマセン。
「過ぎたるは及ばざるが如し」です。
有名な孔子の教えの『論語』からです。
何事もやり過ぎることは、やり足りないことと同じくらい良くないということです。
孔子は、やり過ぎても足りなくてもどちらも良くないと考え、中庸(ちゅうよう)を徳の最高指標としていました。
この言葉は、日常生活やビジネスシーンにおいても、程よく物事を行うことの大切さを教えてくれます。
自分を信じることは成功するために、確かに大切です。しかしながら、それが全て、だとは思い過ぎない余裕が、さらなる成長や進化の源になるはずですから。
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