砥取屋さんで | 包丁研ぎ師月山の包丁研ぎ磨ぎブログ

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人として包丁研ぎ師としての日常や発見、気づきなどを書いています。

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高級鍛造刃物販売、修理研ぎをする三代目です!

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昨日は突然ではあったのですが、京都の有名な砥石屋さんの「砥取屋」さんにお邪魔しました(-^□^-)

事の始まりは3日前。

あるお客様が手研ぎをして、天然砥石を使っているのに「砥取屋」さんをしらないのは損だと力説していただいたのです。

僕には砥取屋さんの天然砥石の知識はないので、その方にコーディネーターをお願いしたところOKしていただいたので、さっそく行くことになったのです(^O^)

善は急げです。



しかし実は僕、結構疑り深い性格なんです(;^_^A

表面的にはいい顔をするのですが、結構慎重になっています。

特に研ぎに関しては譲れないものがありますから、本当にそんな差があるのかと疑っていましたσ(^_^;)

お客様にも切れ味の嘘はつきたくないからですからね。



現地に到着し、大将さんとご挨拶もそこそこに、さっそく研がせていただきました(-^□^-)

やはり驚くべきは遠慮せずどんどん研いでくれと言わんばかりのシステム。

研ぎ場が用意されており、研ぎ場にお持ちいただいた砥石の中から自分の好みに合ったものを選ばせていただけるのです。

しかし偉そうに研ぎを語っていますが、天然砥石に関しては経験値不足。

地層の名前も特徴もよくわかっていませんので、研いだ感覚のみで選ばせていただきました。



今回とにかく失敗しないために白紙一号、白紙二号、青紙一号、青紙二号、粉末ハイス、Ⅴ金10号、銀紙三号、8A、SK5の鋼材を使ったいろんな形の刃物を持っていき、研ぎをさせていただきました。

やはり面白いのが、鋼とステンレスで砥石の当たりが違うことですね。

これは数本の天然砥石しか持っていない僕には今まで感じることができないことでした。

そしてコーディネーターさんの腕がいい:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

持ってきていただく砥石で「きわものです」と持ってこられたものがとてもいいんです(笑)

「無難で何にでもあうものも必要だから」とお持ちいただいた物は「研いでいて面白くないんです」とお返ししてましたσ(^_^;)

すみませんm(_ _ )m

そのきわものは刃物の当たりと研磨力がよかったのです。

でも僕が知っている研磨力が強い天然砥石は軟らかくて減りが早いか、硬くても傷を刃物につけてしまうものが多くありました。

しかし今回選ばせていただいたのは両方を兼ねあっているものだと感じています。



最終的に5本の砥石をいただきましたのでご紹介させていただきます(-^□^-)

まず一番に気に入って購入を決めたのが実は青砥(^▽^;)

大将さんもおっしゃっていましたが、青砥は10本買って1本くらいしか当たりがないそうなのです。

「これは本物」とお持ちいただいた青砥は、研磨力が遥かに優れ、刃物に傷をつけないのです。



天然砥石に入る前に使うのにはかなり有効だと感じています。



次に蓮華巣板です。

ステンレス系統の当たりの良さに購入しました。

粒子は荒いのですが、青砥は鋼、ステンレス系統はこの蓮華巣板でいいのではないかと考えました。



筋は当たらないのですが、その関係でお安く購入できましたヾ(@°▽°@)ノ



今回研ぎのキーマンになるように感じているのがこの白巣板の巣なしです。

しっとりとした研ぎ味なのによく研ぎ、傷も消してくれます。

今までにない研ぎ味の砥石で、とても仕事が早くなり喜んでいます。



厚みがあるのですが、すぐに減ってしまいそうです(^▽^;)



次に合さです。

これは粒子が細かいのに研磨力があります(-^□^-)

これも不思議な感触ですね。

でも白巣板の後に仕上げとして研ぐことで、かなり良い刃が付きます。



これも安くいい買い物でした(^O^)



最後がこれ↓



カミソリ砥石で有名な大谷山です(*^▽^*)

通常三色の色が混じっているようなのですが、これは黒一色です。

水をかけると黒々と光ります。

コーディネーターさん曰く、この大谷山が販売されていること自体がレアなようで、たまたま4本の中から選ぶことができました。

中でもこれと三角形のものが絶対におすすめと言われたのですが、とにかく他のも試してみました。

するとやはり「絶対おすすめ」の理由がよくわかりました(>_<)

研ぎ当たりが全く違う。

コーディネーターのすごさに感服です(^▽^;)

どうせ買うならずっと使うでしょうから、三角のものではなく、この四角く使い勝手がよさそうなものを購入しました。

ちなみにこれは庖丁の刃先調整に使用します。



しかし楽しい一日でした。

砥石を採掘する現場も見せていただき、とても貴重な体験もさせていただきました(-^□^-)

そして天然砥石を使う難しさも感じましたねσ(^_^;)

でもこれだけの砥石を今日一日触り続けて思ったのは、今までも切れ味の着地点はかなりいいところまで持っていけていたこと、そして日照山のうろこがやっぱり好きで、今後も愛用品になりそうです。



今後は天然砥石を使うプロフェッショナルの方々がたくさんいることもわかったので、その方を師事して、さらに良い研ぎをしたいですね。

名倉の勉強をしたいです。

本当に楽しい日でした。

砥取屋さん、コーディネーターさんありがとうございましたm(_ _ )m