「意志(意思)疎通ができない患者に声掛けは必要か」 | 月のベンチ

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両親の闘病記


こういう質問あるいは疑問を持つ人は多いように思えます。


赤ちゃんには話しかけるのに、大人で意思表示できない人には話かけない。


逆に、それはどういう理由からでしょうか?


答えないから?

分らないから?

反応がないから?

どうせ聞こえていないと思うから?



私の家族は、母に触れるとき大概声掛けをしません。

私は声掛けをしてから触れるよう、何度も言いました。

つまり、患者家族でさえ、そういう人たちが多いのです。


「ケアの意味」という記事にも書きましたが、

眼が不自由、耳が不自由な人と同様、意思表示ができない患者さんにも

声掛けが必要です。


何も心の準備ができていないとき、いきなり肩をつかまれたらどうですか?

いきなり体が動かされたり、口に何かを入れられたらどうですか?

ただでさえ自分の周りで起こっていることを把握しきれていないかもしれないのに

あちらこちらから突然何かされる。

いつもビクビクしていなければなりません。


それでなくても、毎日苦痛の連続です。



自分がされたくないことは相手にもやらない。

生きていく上でのルールだと思います。

それは意思疎通ができない人に対してもそうではないでしょうか?




何も言わないから、何も表情に出さないから、これでいいだろう。


そう考えがちです。





「生きている。」


それをまず第一に考えてください。




寒暖も、苦痛も、痒みも、

熱さも冷たさも、



感じているはずです。