治療不可能のわけ | 月のベンチ

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両親の闘病記


父親は母が元気だったころから痰がらみの咳がひどかった。
病院は行っていたが、咳止めをもらったくらいだった。

昨年健康診断で要精査になったが、いろいろな理由で検査が遅れた。

ガンはストレス等で発病、悪化することもある。
母の発症、私との確執でガンが悪化の一途を辿った可能性は高い。
もし、私が歩み寄ってフツーの父娘関係でいたら、ここまでにはならなかったかもしれない。
でも、こうした事態になってはじめて歩み寄れた?のか、どうなのかわからないが、父親が余命半年以下と言われなければ、きっとまだ会話すらしていなかったに違いない。

しかたがないこと。

私のような鬼娘を持ったことを、あきらめてもらうしかないだろう。

私は母にも常に優しいわけではない。
今日も口腔吸引時、ガッチリ歯を食いしばり口を開けない母にプチ切れ。
ヘルパーさんがいたにもかかわらず、イライラを隠すこともできなかった。

いつもいつも、ヘルパーさんたちの前で、ヘルパーさんたちに、穏やかで感情的にならない家族を演じなければならなかった。

それも、父親のことがさらに重なり、自分を律することが不可能に近くなった。
そして、こんな状態でも、なぜ穏やかでいなくてはならないのか?と思った。

私は僧侶でも牧師でもない。