無題 | 月のベンチ

月のベンチ

両親の闘病記

どこまで行っても
どこまで行っても
出口は見えない

母はもう良くなるわけはなく、どんなに努力しても先は見えている

努力したのか?

やろうと選択し決めたことは全部やった

階段を上がろうとするたびに上から岩が落ちてくる
そんな気がした

努力が足りないと言われればそうかもしれない。

でも、『老い』というとてつもない圧倒的な時間の流れには、未だ誰も逆らえないではないか


“永遠”はないんだよ

あってはいけない


永遠がないからこそ、救いがあることもあるんだから

だとしても、永遠が欲しいときもあるだろう




どこまで行っても出口は見えない

介護が終わっても
そこにあるのは出口ではない

出口は自分の中にある

出口はどこにもない

出口は自分の中にある?

出口は、どこにも

ない