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告別式が終わった次の日…

朝起きるとリビングの祭壇には、
当たり前だけどダンナの遺骨と遺影が置かれていた。

お水を替えて、お線香に火をつける。

りんを鳴らして手を合わせると、
ホントに死んじゃったんだなぁ〜って遺影を見ながら改めて思う。


病院からの突然のLINE…

このままお看取りになりますという医師の言葉…

慌てて乗り込んだ新幹線…

霊安室で横たわる変わり果てた姿のダンナ…

病院からダンナが搬送される車を、
深々とお辞儀をしながら見送る病院のスタッフの方たち…

葬儀の打ち合わせ…

お通夜…

告別式…

火葬場…

荼毘に付される…


ダンナの遺影を見ていると、
ここ1週間の出来事のスライドショーが頭のなかで勝手に始まる。

今まで50年と少し生きてきたけど、
たった1週間でここまで劇的に人生が変わったことなんてなかった。

それじゃなくても私の人生にはいろんなことがありすぎて、
『私の人生ってまるで韓流ドラマみたい!』
なんてひとりでツッコミを入れたこともあったけど、
『ある日突然、未亡人』なんて、
ベタな展開すぎて笑うに笑えない。

全てが終わってなんだか私は抜け殻のようになってしまった。

何もやる気が起きない…

何もしたくない…

とにかく人に会いたくなかった。

お通夜と告別式で散々見知らぬ人たちに会った反動なのかもしれない。

私はまたリビングに寝っ転がると、
ただぼんやり天井を眺めながらお通夜や告別式のことを思い出していた。

そして…

お通夜と告別式で会う人会う人に言われた
「ある言葉」が頭の中のあちこちを駆け巡る


「突然のことで大変だったけど、
一命を取り留めたとしても重度の障害が残ってしまったら、
それこそ家族全員共倒れだったわよ!」

「植物状態にでもなったら本人だってツラかったでしょうから…」

「53歳で寝たきりになってしまったら先が長いからなぁ〜…
それこそ雫さんだって仕事をやめて介護しなきゃならなくなるし、
経済的にも更に厳しくなって、
娘さんたちだってお嫁に行けなかったかもしれないぞ。」


ダンナがもし一命を取り留めていたら?…

病院で見たあの脳のCT画像を見る限り、
リハビリをすれば回復出来るどころのレベルではなかったと素人でもわかる。

まさに植物状態か、
もう少し良くても知能は大幅に低下して意思の疎通も出来なくなり、
口から物を食べることも出来ない状態だったかもしれない。

長女はダンナが心肺停止だということを電話で初めて聞いたとき、
もし寝たきりになってしまったらどうしよう…
と、咄嗟に思ってしまったそうだ。

ダンナがそんな状態になってしまったら…

私はダンナの介護が出来たのだろうか?

ダンナだって廃人のようになり、
ただ生かされているだけの状態になってしまったらツラかったと思う。

介護をする私や娘たちを見て、
こんな状態で生き続けるぐらいだったら、
死んだほうがよかったと自分のことを責めたかもしれない。

そして…

自分の自由な時間や睡眠時間までダンナの介護で全て奪われてしまったら?

誤解を恐れずに言えば、


「いっそのことあの時…
死んでくれればよかったのに…」


と、私はきっと思ってしまっただろう…

健康に気をつけてお酒も控え、
クスリもちゃんと飲んで病院の定期検診にも通っていた。

あんなに気をつけていたのに…

と、いうことだったらダンナのことをとても可哀想だと思う。

でも、ダンナはクスリを飲むのもやめてしまっていたし、
お酒だって毎晩毎晩飲んでいた。

確かにストレスや疲労もあったとは思う。
だけど防げる手段はあったのに民間療法に頼り、
病院の治療を勝手に断ってしまったのはダンナ自身。

言わば今回の死は自業自得の部分も大きい。

死んでくれればよかった…

なんて…そんなこと…
ホントは思いたくないけど、

でも…

今までダンナに大切にされてこなかったぶん
きっとダンナが寝たきりで介護状態になってしまったら、
私はなんでダンナの面倒を自分を犠牲にしてまでみなくてはいけないのだろう?

と、思ったはずだ。

だからと言って死んでしまって、
あーよかったとも思えない…

だったらなんだ?と聞かれてもわからない。

自分勝手なことはよくわかってる。

でもこれが私の正直な気持ち…

だから私はダンナがキレイに逝ってしまったことは、
ダンナが最期の最期にしてくれた家族愛と、
私への愛だったのかもしれないと思うようにした。

そう思おう…

そう…思い続けよう

そしたらきっと

ダンナのことを

心から許せる日が来るはずだから…



パパ…



最期の最期に大きな愛をありがとうね!!



※おはようございます晴れ
前記事までのコメントにお返事を全部し終わりました。
お返事が漏れている方がいましたらお知らせ下さいあせる
お待たせして申し訳ありませんでしたm(_ _)m
よろしくお願いします黄色い花

6/27 10時30分 追記
誤ってこちらの記事のコメント欄が閉じていたようで、今さっきその事に気づきましたガーン
ご迷惑おかけしてすみませんでした汗