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私の両親は私が中3の時に離婚をしている。

母は父の不倫や借金に深く傷つき、
もう結婚なんて二度としたくないと常々話していた。

母は現在76歳になったけど
有言実行で今も独身。

再婚をしなくてやっぱり良かったと思ってるらしい。

離婚をしたおかげで舅や姑の面倒も見ずに済んだし、
定年後のダンナにうるさく縛られることもない。
散々苦労はしたしお金もないけど、
今ではそんな暮らしを友人に羨ましがられるという。


「この年になって100歳を超えた姑の面倒をまだ見なくちゃいけないなんてツラいわ〜」

「うるさい小姑が散々口を出してきて、
いい加減うんざり!」

「定年した途端、ダンナは24時間家にいるし
メシメシって人のことを女中扱い!」


女子会ならぬ『ババ会』で友人の愚痴を散々聞かされたあと、


「一人暮らしなんて羨ましいわぁ〜」


と、決まって最後に母は羨望の眼差しを友人から向けられ、
ババ会はお開きになるそうだ(笑)

そんな母もまるっきり色恋沙汰がなかったわけではない。


母が40代後半のころ、
友人からひとりの男性を紹介された。

年は母より2〜3歳上。
相手の男性は死別で奥さんを亡くしている人だった。

友人からは出来れば死別している人を紹介したくないけど、
とても良い人だから会うだけ会ってみて!と言われたらしい。

死別でも男性の場合は亡くなった奥さんのことを忘れられず、
例え恋愛に発展しても亡くなった奥さんと恋愛相手を比べてしまう人が多いという。

だから友人も母にその男性を紹介することを当初は躊躇ったそうだ。

でも男性の方が乗り気で、
ゼヒ母のことを紹介して欲しいとゴリ押しされ(笑)
そこまで言うならとふたりが会う機会を友人がセッティング。

その男性…鈴木さんは、
母のことを一目見てとても気に入ったらしく
二人は程なくして交際をスタートさせた。

でも交際をスタートさせてすぐに母は乳がんを患う。

病気のせいで破局を迎えてしまうのではないかと心配になったけど、
それも取り越し苦労に終わり
鈴木さんは母の闘病を支えてくれた。

そして母が寛解したあとは、
ふたりで世界中を旅行三昧!

もちろん費用は鈴木さんが負担(笑)

鈴木さんは父と違ってマメで優しい人。
母も苦労が報われようやく幸せになれたんだと思ったら私もホッとした。

鈴木さんもホントは母と結婚したかったに違いない。

でも母のほうはもう結婚なんてこりごりだし
お互い年を取っていて、
家だとかお墓だとかそんなものには縛られたくないからと、
会いたい時に会うスタンスの交際を続けていた。

鈴木さんもたまに実家に泊まったりしていたみたいだから側から見れば事実婚。

私は母から直接鈴木さんを紹介されたことはなかったけど電話で話したことがある。

とても穏やかで紳士的な物言いが好印象の人

このままずっと交際が続けばいいな…
と思っていた矢先、

鈴木さんに癌が見つかる…




膵臓癌だった…




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