愛されたら 愛しかえしたい | 貴方のこゝろにバンドエイドを。(失恋・難病)

貴方のこゝろにバンドエイドを。(失恋・難病)

~14歳の恋愛不能、難病ねこが寂しさと痛みを
ねこセンセーと手放していった宣戦布告手紙集~

 

am1:27 純喫茶ねこ

 

【森の夜気は冷たく青い香りを放っている】


ねこです。

この国が放置された花びらの
ように黒ずんでいっています。

予想していた人。

想定外の人。

まだ気づかない人。

それぞれでしょう。

リセットされる継ぎ目に私たちは
たち尽くすしかありません。

黒い花びらは最後は排泄物のように廃棄されます。

ねこさんは乞食をしていたので
黒ずんだ経験は五感で覚えています。


【盗んだビールをかじりながら あたりめをしゃぶる】


どこかで話しましたがキリシタンの外国人に
食料や毛布をもらったことがありました。

体温を奪われると免疫が落ちるだけ
ではなく性格が歪んでいきます。

コンクリートの床から冷気が滲み出し
迫ってくると眼球は凍てつく風で涙を
押し出され、喉奥が締め付けられる
ような感覚に陥ります。


【冬のつよがりは白いため息に変わる】


緊急事態が起こると
「私がいなくても世界は周る」とつぶやき
なにもしない人がほとんどでしょう。

現状維持することで自分を守っているので
責める資格は誰もありません。

ホントは電車で老婆に席を譲りたくても
なかなか勇気がなくて無関心を
装うことってありませんか?

あれと似ていて普段から習慣に
していないとGIVERになれず新世界
(理想)には飛び込めません。

自分自身この世からいなくなっても
社会は回り続けますが、自分の道は
誰かが代打で歩いてはくれない。

今後も道を塞ぐような出来事はやってくるでしょう。

僕らはどこにむかえばいいのだろう。


【クロールの手つきで焦りを掻きだしていく】




しかし不思議だ。

絶望の瓦礫の孤独と向き合うと
だれかの孤独と交差することがある。

廃墟に埋まった白い円状の線上で
咲く小さな花びらは両手からこぼれる
ほどの愛色の蝶々で染まっていく。

異国に住んでいたことを思い出すと
あの頃はどことなく寂しくて、週末に
なると途方もなく愛国心を感じていました。


【心の都はどこだ 朝霧がまだ晴れてくれない】


ねこさんは接種しませんでした。
今でもそれでよかったと思います。

丁寧にゆっくりと言葉の棘を
刺してくる人もいましたが、

接種するということは自分の
アイデンティティが崩れてしまう
のがわかっていましたから。

・大腸切除しなかったこと
・乞食になったこと
・ひつじさんとケンカしたこと

どれも自分の物語の欠片であり
欠かすことはできません。


【16時 湖に洗われた青空がくすんでいく】


ねこさんも貴方と同様この滅びゆく
原風景を見守っていきたいですし
誰かの瞬きのサインに目をそらさずにいたい。

川面(かわも)に投げかけた小石は
波紋になり止めどなく輪を広げていくと、

涙ぐむようなその愛おしさの粒子に変容し
誰かの胸に押し寄せていくことを願っています。

今年も旧正月が終わり動き出しましたね。

 

走り書きの一年をはじめていきましょう。


2024年2月 ねこ