photographは「真を写す」だけじゃない。

写真は現実をとらえたものである。

しかし、それは同時に、

誰かに意図的に選び取られたものであり

編集され、加工されたものかもしれない」


「決定的な瞬間など存在せず、すべては

等価値であるという認識こそが重要だ」


世界をすべて等価に切り取ろうとする彼の姿勢は

見るものに疑問符を与えずにはおかない。

(人は、既成概念、ヒエラルキーというものを

無意識のうちに築いてしまっているものである)

つまり、より主体的に写真に関わることへ

誘いかけるのだ。


「僕たち建築家は建築の形そのものではなく

同時に環境をつくろうとしています。

ホンマさんの写真は建築物だけを撮るのではなく

ホンマさんが経験した雰囲気を撮っているように

感じられ、その点に共感します。

ありのままに撮っているのだけど、リアリズムではない。

常にホンマさんの視点によって抽象化された世界に

なっているような気がします。

ホンマさんの写真が今、

時代の何かを象徴しているというとき

それはたぶん、ホンマさんの抽象化の仕方に

ある種の現代性を感じる人が多いということでしょう」

(西沢)