責任認識し、行動を

京都大原子炉実験所助教 小出裕章


愛媛新聞2012.1.10



瓦礫問題だけではなく、福島の農作物は

われわれ大人が食べるべきだと主張し

批判を受けています。

でも消費者が拒否すれば、

東北の農業はつぶれます。

チェルノブイリ事故のときも同じ。

原子力開発を推進してきた日本は

汚染食糧を輸入規制すべきではない

拒否した分は飢餓に苦しむ国にまわされると

訴えましたが、散々怒られ

仲間と別れたこともありました。



汚染から逃れたい気持ちは理解できますが

意識がそこで止まっては駄目です。

大切なことは、原子力を推進してきた社会をつくった責任が

自分にもあると認識し、その責任をきちんと果たすことです。



「福島の事故の後、どういう生き方をしたのか」

と問われると思います。