コンピエ-ニュの森に
設置された鉄道列車の中で、
ドイツ代表の中央党議員
マティアス・エルツベルガ-と
連合軍総司令官
フェルディナン・フォッシュが会見し、
ドイツは屈辱の休戦協定に調印した。
調印を終えたエルツベルガ-は
苦渋の色をにじませて、
フォッシュに語り掛けた。
「ドイツの7千万国民は苦しんでいる。
しかし国民は死なない」と。
これに対してフォッシュは冷たく
「たいへん結構」とひと言述べたたけで
握手もせずに列車から出ていった。
ドイツは、無条件降伏にも等しい
過酷で屈辱的な休戦協定を
受け入れざるを得なかった。
休戦協定が、この日正午に布告されると、
全戦線は静けさを取り戻し、
4年余りにわたった大戦は
終わりを告げた。
休戦を知った連合国の国民は、
平和の再来を心から喜び、
街に繰り出して狂喜乱舞した。
ロンドンのトラファルガ-広場では
ネルソン像の台座で
夜通しかがり火が炊かれた。
第一次世界大戦は
ヨーロッパの戦勝国にも敗戦国にも
膨大な人的・物的損害をもたらした。
戦勝祝いのミサが執り行われた。
式が終了し参会者が帰り支度を始めた時、
突然頭上の大オルガンが
『ラ・マルセイエ-ズ』を鳴らし始めた。
続いて参会者の大合唱が起こった。
心の昂まりに身は震え、涙が溢れた。
希望と感謝の念が、声を途切れさせた。
「それは、勝利の女神が
飛翔しているかの如く、
反響する高い穹窿の下で、
長かった不安から、
なお鳴咽で震える
歓喜の叫びのうちに解放された
フランス人の魂であった」
(ジョルジュ・ルコント)
ヨーロッパでは
とても重要な記念日で、
各地で大掛かりな
式典が催されます。
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