今年で25周年を迎えた「わかさ生活」の社長 角谷が、従業員に話してくれる「豊かな心」になる話を毎週紹介しています!

 

あなたは「良かったこと」があると、どうしますか?

 

 

 

 

それを忘れないように写真を撮ったり、記録に残したり、良かったことほど覚えていようと思うのではないでしょうか。
 

 

でも、わたしは『良かったことほど、忘れてしまう』ようにしています。


これは別に、記憶に障害があるわけではありません。


わたしが仕事を始めたばかりのころ、「あの時の仕事は大成功した」「この企画は俺が考えたんだ」という自慢話をする人がたくさんいました。


わたしも、そのような話に感銘を受けて、いつかそんなかっこいい仕事がしたいと思っていました。


しかし、数年ぶりにその人たちに会ってみると、また同じ話をしている人が何人もいました。


仕事以外でも「ぼく、昔甲子園に出たんですよ」といつまでも言っている人が何人もいます。


10年以上、会うたび、食事のたびに言っている人もいるくらいです。


今となっては、そのような話を聞くたびに「もったいないな」という気持ちになるようになりました。


わたしは、恥ずかしながら過去のことをそんなにすぐには思い出すことができません。


仕事で大きな成功をしたこともあれば、社会的に評価をしていただいたこともあります。

 

 

しかし、それはしばらく考え込み、頭をひねらないと出てきません。


わたしは、もっと新しいこと、より楽しいこと、やりたいことを常に考えていたいタイプですが、多くの人は過去の成功のことばかりを考えているように見えます。


イヤだった記憶は、やはり本能的なものなのか、頭の片隅に入っているのですが、良かったことは本当に覚えていないのです。

 

 

「あえて忘れよう」とも思っています。


頭の中も、心の中も、できるだけ空間があって、そこに色々入れられる方が、人生を好転させるためには大切だと思っているからです。


嬉しかったことなども、それをずっと抱いていても仕方がないと思うのです。


大好きな食べ物も、毎日食べていると味に飽きてしまうのと同じです。


なのでわたしは「良かったな」と思うこと、特に自分で達成したことなどは“記録”としては残しますが、“記憶”からはすぐに消えてしまう、むしろ消してしまおうとしています。


過去に「良かったこと」があったなら、またそれと同じような嬉しさを味わうため「次のことにチャレンジした方がいいな」と考えているのです。
 

もちろん、良い思い出は人を幸福な気持ちにさせます。


時に、思い出話に花を咲かせるのも楽しい時間となるでしょう。


しかし、ずっと良かった思い出を大事に抱えて、過去の自分をいつまでも懐かしんでいては、その時の自分を超えられる日は来ません。


でも、心と頭に空間があると、新しいものに触れ、それを感じ、考えていくことができます。

 

 

すると、毎日新しいことに挑戦でき、「これからの良いこと」に出会えるようになるのです。


最初は難しいかも知れませんが、ぜひやってみてください。


心の中で『良かったことほど、忘れてしまおう』と呟いてみてください。