仕事をするなかで、自分のメリットだけに目がいってはいませんか?

 

 

 

私は、会社経営の中で「お客さま」「従業員」「お取引先」「地域」に満足いただくことで
会社経営は成り立つ(経営者満足)と考えています。

 

 

お客さまはもちろんですが、会社の所在地に住んでいる地域のみなさん、お取引先、従業員も含め大切なご縁だからです。

 


だから毎年、地域との取り組みにはスタッフにも積極的に参加してもらうようにしています。


ある時、わたしたちは地元のみなさんと「もっと深く繋がりが持てないだろうか」と考え、商店街でのイベント開催を計画することにしました。

 


スタッフが最初に持って来た案は、創業時から続けていた「わたしたちの商品を紹介するイベント」と変わり映えしない内容でした。商品の販売促進にはなるでしょうが、誰もが予想できる結果にしかなりません。

 


「イベントは地域の皆さんと楽しむものなんだから、喜んでいただけて自分達も楽しい!と思えるものを考えた方がいいよ」と、考え直すように伝えました。


次に、スタッフが考えてきた案は「ブルーベリー祭り」という企画でした。これは、地域の商店街と一緒にお祭りを企画して盛り上げようというものでした。

 


しかし、商店街の方々に企画の意図を理解してもらうのは簡単なことではありません。


このときわたしは、リーダーを務める女性スタッフに一つアドバイスをしました。

 


「これから毎日商店街に通って、出来れば昼も夜もお店でご飯を食べたり買い物をしたりしておいで。それだけでいいから」

 


すると、彼女は一日一回商店街に顔をだし、お店のご飯を食べ、お店の方々とコミュニケーションをとるようになりました。


そのうちに自然と顔を覚えてもらい、名前を呼んでもらえるようになり、ついには多くのお店に「ブルーベリー祭り」を一緒に盛り上げていただくことが出来ました。

 


一年目は協力してくれるお店は5件ほどでしたが、3年5年と続ける中で今では数十件のお店が一緒に取り組んでくれています。

 


そして、「ブルーベリー祭り」は5年以上続く商店街の恒例行事となっています。


わたしたちが、自分たち本位の企画をただ提案するだけでは、地元住民のみなさんに喜んでもらえなかったでしょう。

 

信頼関係を築き、双方にとっても良い結果に繋がったからこそ、こうして今も続けることが出来ています。

 


地元の商店街との取り組みとして始まったイベントですが、その地域にお住まいの方だけでなく社内のスタッフ、お客様や取引先も、年に一度の「ブルーベリー祭り」を楽しみにしてくれています。

 


「地域満足」から始まったものが「お客さま」「従業員」「取引先」の満足に繋がっていき、五つの満足が揃ったのです。

 


何か一つの満足だけでなく、満足の輪を繋げていきましょう。