和香堂ブログ13 突発性難聴にも鍼灸マッサージ
大西です。突発性難聴を発症したという著名な方のニュースをよく耳にします。し
ばらく治療と休養に専念し、仕事復帰も体調をみながら少しずつ。私たちにとって、
疲れやストレスを溜めすぎないことがいかに大切か考えさせられます。
難聴は伝音難聴・感音難聴・混合難聴に分類されます。
前回のブログで、人間の耳は外耳・中耳・内耳に分けられることに触れました。
音(空気の振動)は外耳で集められ、中耳で増幅されます。そして、この振動が内
耳の蝸牛のリンパ液を振動させ、有毛細胞を刺激することにより、電気信号に変えら
れます。この電気信号が蝸牛神経を経て大脳に伝えられて、音として認識されるので
す。
この経路のどこかが影響を受けると、聞こえにくくなる難聴となるのです。
伝音難聴:外耳~中耳の何らかの障害による難聴。
感音難聴:内耳~蝸牛神経~大脳の何らかの障害による難聴。
混合難聴:伝音難聴と感音難聴を併せ持つ難聴。どちらがより強いかは個人差あり
。
突発性難聴は原因不明の感音難聴をいいます。何らかの原因によって内耳の有毛細
胞が傷ついて、聞こえにくさが生じるとされています。過労・ストレス・睡眠不足・
糖尿病などの関与が考えられています。
突然片耳、まれに両耳が聞こえにくくなります。突然全く聞こえなくなる、高い音
だけが聞こえにくくなる、それほど聞こえにくさは感じないが耳が詰まった感じがす
る(耳閉感)など、聞こえにくさの程度には個人差があります。
耳鳴り・めまい・吐き気などを伴うことも多いです。
突発性難聴は早期に薬による治療を始めないと、聴力や耳鳴りなどが改善しないお
それが高くなります。治療しても聴力が完全に戻らない場合もあります。聞こえ方が
いつもと違うと、少しでも感じたら、できるだけ早く耳鼻咽喉科の受診が重要です。
突発性難聴を発症すると、突然聞こえにくくなったことにとても戸惑うと思います
。会話や日常生活がスムーズにいかないこともあり、歯がゆい思いをするのではと思
います。周りの会話を自分だけ理解できず、悔しい思いをすると思います。そうした
思いを周囲にわかってもらえず不安感や孤独感を募らせてしまうかもしれません。
大事なことは文章で伝え合う、テレビのスピーカーや補聴器を、自分にあったもの
を探す、などの工夫をしたり、ゆっくりはっきり話しかけてもらうようお願いしてい
くことも必要でしょう。
難聴による不便なところ、不安な思いなどを改善しながら、できる治療を続けてい
けるとよいのではと思います。
和香堂へは突発性難聴で耳鼻咽喉科へ通い、それでも聞こえにくさや耳鳴りにお困
りの方が来院されます。心身ともに疲れが癒えないご様子です。前回のブログでもご
紹介しましたが、
鍼灸マッサージで耳の周囲や頸肩部の血行を促し、全身の疲れを軽くし、自律神経の
バランスを整えるよう、鍼灸マッサージ施術をさせていただいております。週2~3
回程度の集中的な施術をお勧めしています。
突発性難聴の治療には、疲労やストレスを溜めないことがとても大切です。生活リ
ズムを整え、十分な睡眠をとり、リラックスできる時間を作ることが大切です。多忙
な日常にあって、実現は簡単ではないかもしれませんが、少しずつを意識して。
今回は5つの耳周囲のツボの取り方をご紹介します。
●聴宮(ちょうきゅう)
耳の穴の前に、耳珠(じじゅ)という突起があります。耳珠のすぐ前、口を開くとで
きるくぼみのところにあるツボです。
●耳門(じもん)
聴宮の少し上にあるツボです。
●聴会(ちょうえ)
聴宮の少し下にあるツボです。
手のひらを頬に当てます。人差し指・中指・薬指をそろえて、中指を聴宮に当てます
。そのまま3本の指を立てて手のひらを頬から浮かせた時、薬指にあたるところが耳
門、人差し指にあたるところが聴会です。
●翳風(えいふう)
耳たぶの裏側を付け根から指でなで上げていきます。耳たぶと乳様突起という骨の突
起の間のくぼみにあるツボです。
●完骨(かんこつ)
翳風に指を当てます。乳様突起のへりに沿ってなで下げていくと、乳様突起の下橋の
くぼみにあるツボです。
ツボの押し方としては、指の腹でゆっくり押していき、ゆっくり力を抜いていくこ
とがポイントです。強く押しすぎず、気持ちいいと感じる程度の力で。耳鳴りや聞こ
えにくさ、耳の詰まった感じがした時などに効果が機体できるツボです。すべての方
に確実な効果が得られるとは限りませんが、医療機関や治療院にも相談しつつ、1ツ
ボ数回ずつ、1日数回と、続けて試してみるのもおすすめです。