和・顔・愛・語 -67ページ目

第十六話 賭け

彼と出会ってから
遊びのはずが、一緒に暮らしたいって
気持ちまでなって
色んな出来事に出会ってきて

必ず一緒になろうって約束したのに。

彼が、「子供が円形脱毛症になった・・
原因は離婚の話で、もめてばっかりやからやろうな」
心が痛かった。
彼は、もっともっと痛かったんだろうな・・

見たこともない彼の子供から
あたしはパパを奪えるんだろうかって・・
彼は そんな子供を置いて
あたしのところに来てくれるんだろうか・・

自信もなくなって
がんじがらめになるしかなかった。

なぜか・・
もう・・あたしが別れを切り出せば
彼は、家庭に戻るだろうなって・・
身を引く事ばかり考えるようになってた。

  そんな、あたしの気持ちは
  貴方に届いていますか?って
  心の中で叫んでいるのが
  貴方は聞こえますか?

だから、最後の賭けに出ることにしました。

その賭けとは・・追いつめる。それだけ・・

第十五話 窒息

毎朝「おはよぉ」って始まる彼からのメール
喧嘩みたいになってしまった前日。
ひょっとして「おはよぉ」ってメールが
来るんじゃないかな?って
かなりの期待をしてた。
期待じゃなくて・・来るって思ってたけど
来なかった・・

時計をみるたびに
彼が何をしてるのかが、わかる。

たかが一日メールしていないだけなのに
息が詰まりそう・・

携帯がブルブルってなるたびに
ドキドキして心臓も破裂しそう・・
でも彼じゃない・・
今日は、彼以外のメールは着信拒否したい気分。

仕事にいかなきゃ・・
やる気なし・・

・・ブルブル
もぉ・・いいって・・

  「仕事頑張れよ!」って彼からのメール。

涙が、あふれて運転できないよぉ~
バカだなぁ・・ほんとバカだなって・・
付き合って3年も経ってるのに・・

第十四話 強さと弱さ

本当に この人と一緒に生きて行けるのかな?
お互いに今の関係のまんまなら続けられても
離婚を乗り越えるほどのものが
あたしたち二人にあるのかな?

  でも逢うと
  こんなに好きだから大丈夫大丈夫!
  
  家に帰ると
  ・・・って感じ。

少しずつ・・そんな気持ちの繰り返しに
疲れてきたのかな?
旦那を大切にしようって考えはなかったけど
離婚を諦めようって考えもなかったけど

彼とは距離を置いて
彼の様子を見てみようって
離れると彼は居なくなってしまう怖さなのか?
一人になる事が怖いのか?
自分では、わからない。
でも、離れると自分が見えるかな?

  「メールも電話も逢う事も・・
   なくなっても俺の気持ちはかわらへんから・・」

気持ち変わらないからって言われても
何もなくなったら変わるよぉ~彼は強いの?弱いの?

第十三話 きもち

いつも二人して逢ってる時って
現実逃避してるだけなのかな?
って思う事が多くなった。

一緒に居てる時って
家の事 子供の事 いろんな面倒な事を
忘れてしまえる。

彼と一緒に居てる時間を生活にしたくて・・
コソコソしてるのが嫌になったり・・
そんな気持ちを
なぜか・・
彼氏にぶつける。
はっきり、ぶつけるんじゃなくて・・
意地悪してしまう。

こんな自分が嫌になる。

最初の頃 そんなあたしに
彼氏は「俺が頑張るから」って言ってたのに。

しまいには、無視。またや!って感じで
逃げるようになった。時間は人を変えて行くのよね・・ 

第十二話 見られた!

クリスマスも近い頃に
あたしは子供のクリスマスプレゼントを買いに
彼氏とトイザラスに行った。

平日のトイザラスは、ガラーンとしてて
あまり人もいなくて・・
いつものごとく仲良く手を繋いで買い物したり
彼がゲームしている後ろから・・
またまた、ブツを触ったりと・・
いろんな意味で忙しい時間を過ごしていた時に・・

「こんにちは!」って声をかけられた・・
その時点では、彼氏と手を繋いでる・・

「あっ!こんにちはぁぁ~・・」
あたしの仕事場の方だった。

冷や汗が・・タラァ~

家の近くでは、買い物もしないし
かなり遠いトイザラスまで来てたのに。

思わず、彼氏とは離れて
その人とは、
なんてない会話でごまかすのに必死になってた。

あたしは仕事場では、結婚していないように
見られているようで・・
きっと、その方は どんな関係なんだろ?って
思ってるに違いない・・

でも、すぐに開き直って仕事場で聞かれたら
「彼氏です」って言ってやるぅ~って
思ってたけど・・その後は何も聞かれなかった・・(笑)

彼氏は、ブツ触ってるとこを見られなくて良かったやん!
って・・そんな問題じゃないって・・

第十一話 キスマーク

彼って、毎日 必ずキスマークを
あたしの体に付ける。
それも ひとつやふたつじゃない。
もちろん首とか もろに見える部分には付けないけど・・

胸から腕 背中 ふともも・・
とても他の人の前では裸になれないくらい。

あたしも負けないように
彼の体につけるけど・・
追いつかない・・

でも夏場なんて洋服選びに大変ってもんじゃない。
自分では気づいてない部分にもあったり・・

でも、そのキスマークを見ると
なんとなく嬉しくなるんだよね・・

一度、彼の首に付けてしまったキスマーク・・
彼は、焦ってたけど
友達に「お前は高校生か?」って笑われたって。
どんな顔して、言い訳してたんだろ?

第十話 プレゼント

はじめて二人でプレゼントしあったお揃いのブレス。
嬉しくて、ずっと仲良くつけてた。

この揺れる音がなんとも言えなくて・・

でも仕事をする時って彼は、
このブレスは外してる
そんな昼休みに腕にブレスがない事に
複雑で、ほんの少し淋しく感じた。

彼は、最初の頃は結婚指輪もはめたけど
いつしか、外してしまってた。
でも
ある時、車に彼の結婚指輪がシートに落ちてた。
慌てて彼は ごまかしてたけど。

きっと、あたしに逢う前に指輪を外して
ポケットに入れてのね・・

このブレス手錠っぽいのが、すっごく気に入って
強引に このブレスに決めたのよね。

占い

友達が占いに行った話を聞いて
あたしも行きたくなって紹介してもらって
早速、行ってみたのよね・・
もちろん、この先の あたしの運勢などなど。

占い師の先生は女性で
一見 怖そうで、話にくそうって最初の印象。
あれこれって聞きにくい感じがしたけど・・
お金を払うんだし・・

「離婚をしたいんですけど出来ますか?」

先生は、ニコって笑いながら

「無理!」

なんでよぉ~って感じで、あたしも質問のしまくり。
でもこの先生・・すっごく納得の行く話し方と説明が
助け船のような・・心地よい感じだったのね。
二時間ほど付き合って話をきいてくれて
帰る間際に先生から

「占いの勉強してみない?」

「そんな出来ませんよぉ~」

「やる気があるなら、またいつでも電話してきなさい」

半信半疑で帰って友達に報告すると、
友達もビックリ!なんで?占ってもらいに行って
占い師になる話になるの?って・・
あたしにも・・さっぱり、わからなかったけど・・。

こんな出会いで、今 占いの勉強を初めて
一年半くらいになります。
一応、免許も取りました。
免許って言っても、流派の看板を出せるって
感じのものだけど・・
まさか、占い師になるなんて・・思ってもみなかった。
でもでも今は、まだ趣味程度のもん!
まだまだ、勉強するつもり。

占って欲しい方は・・うらなっちゃうよぉ~

第九話 仕事

彼は、職安に行きながら仕事探しを始めたけど
どうも気に入ったとこがないのか・・
まったく面接さえ受けない。
通りがかりで見つけたのがバイト。
そこなら、メールも出来るし・・自由が利くって。
でも期間限定・・
この先どうなるやら?

毎日来てくれてた彼の変わりに
昼休みに あたしが会いに出かける日々。

逢える時間は一時間。
それでも、逢いたかった。

マクドナルドの好きな彼・・何個買った事か・・

第八話 家庭

我が家は 何年も家庭内別居中。
5年ほど前に「離婚したい。」って話しても
ノーコメントの旦那さまに「夫婦辞めましょ」って
言ったのが最後の会話のような気がする。

あたしは、夕方から仕事をするようになったので
まったくのすれ違い。
朝に、ほんの一瞬会うかな?って感じ。
それからは、会話なんてしない。

この頃は、彼氏の存在なんて まったくなかった。

こんな家庭になんか居たくないし
どうして こんな思いをしながら生活しなきゃならないの?
ただただ、子供のためにって自分に言い聞かせて・・

彼氏の家庭は、円満でもないけど普通の家庭。
嫁さまは恐妻のよう・・です。
彼は子供が、可愛くて仕方ない。
子供の面倒もよく見る、良きパパ。
嫁さまは専業主婦で、自由奔放にしていた。

お互いに 知らないとこで、こんな生活してて
彼氏と出会いスタートした。

それからは、あたしの生活の形は、変わらないけど
彼氏は、ぷぅ太郎を二年半くらいした。

良きパパだったのが、ダメパパに変身。
あたしにとっては、毎日来てくれる良き彼に変身。