ほんとうは(とても)つらい話のチベットの暴動や四川省の大地震も忘れ、ついつい北京オリンピックに夢中になってしまいました。男子のサッカーや野球は予想通りがっかりさせてくれるので、いつものように冷ややかに見られたのですが、女子ソフトや幸運にめぐまれたとはいえ400メートルリレーと予想外のがんばりを見ると、ひねくれものの私でも感動します。もちろん、東京都の千駄木小学校(私の身近な人の学校つながり)出身の北島も凄かった。

で、我田引水の話です。

なんといってもオリンピックのクライマックスは最後の種目の男子マラソンです。日本人選手はそこそこでしたがある意味感動しました。というのは、今回の優勝者ケニアの選手サムエル・ワンジルのことです。かれは、はじめは仙台育英で駅伝選手としてスカウトされました。かれは仙台育英の多賀城校舎にある合宿所にいた(はず)なのです。多賀城校舎は私の実家から直ぐ近くにあるのです。正月帰省で仙台に帰ったとき、ときどきコンビニで買い物をしていたり道路をとぼとぼと歩いているアフリカ人の高校生をよく見かけます。いつも「正月にも故郷のアフリカにも帰れず大変だな」と思いつつ、高校の駅伝のTVなんかで育英高校が活躍すると、あのときのアフリカ人かと思いながら応援していました。その中のひとりがワンジルだった(かもしれない)と思うと、彼のがんばりを祝福せずにはいられません。

で、首記の音楽本の話です。
なお、前々回のブログで紹介した「音楽と言葉/T.G.ゲオルギアーテス/講談社」は書いてあることが難しいのですが、面白く読んでいます。

●ルージュの伝言/松任谷由実/角川文庫ゆーみん
家の近所のブックOFFで105円で買いました。右のは文庫ではなく単行本のものです。
実は私の家にはユーミンのCDは1枚も無い。以前ベスト版を購入したのですが、娘に貸したら帰ってこなかった(赤い表紙のCDです。そろそろ返してほしい・・・)。今は彼女の本箱の奥深くで埃をかぶっているのだろう。ユーミンの音楽は、旅行のときにFMで流れてくるのを聞く程度ですが、いつもその才能の感嘆しています。この本も、その片鱗がうかがえる。
  ★
凄いのは、あとがきに(ゴースト)ライターが直接出ているところ。この本は取材したテープや速記録をまとめたものらしい。ただ、本人の雰囲気がでている。タイトルの「ルージュの伝言」は昔なんとなく聞いています(たぶん荒井由実のとき)。でも、タイトルとメロディは一致したのは「魔女の宅急便」を見てからです。
  ★
この本を読んで、「う~ん。やはりユーミンは凄い」と思った。凄いと言う意味は、実は数年前まで、日曜の夕方東京FMをかけると、ユーミンの人生相談をやっていた。なんというか、リスナーからの(どろどろの)3面記事風手紙に結構辛らつに的を得たコメントをつけていた。でも、さすがのユーミンもそれがいやになったんだと思いますが、その番組はなくなりました。この番組は10年以上もやっていたのではないか。その片鱗がこの本からうかがえる(というところが凄い)。私の直感ですが、そのストレートなところが、かえって女性に人気があるのだろう。

私は天才です
「私は、小さい頃は少女マンガの意地悪な女の子そのものだった」というのはほんとうだろう。そのストレートさ、読者に身近に感じてほしいという媚びがないのが潔い。
マイ・シークレット・ゾーン
松任谷由実は八王子に住んでいた。東京までに2つの川を渡るたびに気持ちが変わるらしい。私も会社に行くとき、中川(荒川は直ぐ隣ですが渡りません)と隅田川を渡りますが、あまり気持ちはかわりません。たしかに、あっちは、田舎から都会と言う感じがあるのだろう。
みんなみんなパッセージ
パンプキン・メモリーズ
「コードが色彩で、メロディが形で詞は構図」と言っている。なんか良くわからないが、さすが多摩美大を出ているだけあって、美術と音楽が一致している。コードが色というのはわかります。「コードの色はセブンスで決まる」とも言っている。これはするどい。単なる三和音ではつまらない。ここから音楽が始まる。面白い。
荒井由実と松任谷由実と私
結婚するときにプロダクションがアルファから東芝に変わった。アルファとの間にいろいろあったらしい。それが淡々と書いてある。「新しい事務所は全部新しいメンバーにした。でも10人いたら、ほんとに大事な人は一人か二人。あとはどっかの時点できらなきゃならない人」というのを読むと、ついつい切られる人に感情がいってしまうが、この人はプロだと思った。
すてきな映像が歌になる
対話ユーミンVSビッグママ
ビッグママも結構変わったひとのようだ。
心はいつもエバーグリーン

ところどころに、彼女の詩が入っている。結構うまい。でも、どの詩をみても全くメロディが浮かんでこない。おそらく、聞けば「な~~るほど」と思うのですが・・・。でも、ルージュの伝言はメロディが聞こえてきます。


・・・ということで。