中世・ルネッサンスの音楽/皆川達夫/講談社現代新書」の覚書を自分のために6回(期間で言うと約1か月)書いています。それにもかかわらず、多少でも覗いていただいた方にはとても感謝しています。そろそろ違う本を取り上げるつもりなんですが、あと一回やって、バロックまで繋げようと考えています。その後、「音楽と言葉/T.G.ゲオルギアーデス/講談社学術文庫」に戻ろうか、又は他の本に行こうかとも思っています。なお、本屋さんにいくと、クラシック音楽の文庫が少しずつ出てきている。やはり、クラシック音楽はブームなんだろう。今は、読んでいる本がいくつかあるので(購入を)がまんしている状況です。なお、立ち読みするのも楽しい。

で、今回は気分転換で、最近購入した首記の本です。

●演奏のための楽典-正しく解釈するために-/菊池有恒/音楽の友社楽典
値段が2600円で少し高かったのですが、ぱらぱらと読んで、○十年前に購入し今でも本棚の奥深くでほこりをかぶっているものに比べて、解説が面白く適当によんでも楽しく頭に入りそうなので購入しました。読んでみると、「ほほう(多少冷笑的な感じ)」→「ふむふむ(すこし感心する感じ)」→「なるほど(感心)」と変わるものがある。「そんなの知っているわい」と思わず、我が家の最も小さい部屋の○○ペーパーのストックの横にでも置いて、少し読んでみようかと。
  ★
なお、巻末に表記のドイツ語、フランス語、イタリア語が併記してまとめているのは(多少)参考になるが、少し見て見ると、小中高生向けとしては手抜きだ(な)。さらに言えば、音楽年表はいただけない。なんか学生に書かせたような年表だし、中世・ルネッサンスのところはかなりお粗末でいい加減な印象。こういうところに手を抜かないとうのが、本当のよい本と思う。

あるHPの書評
HPで調べると下記のような書評がありました。
「演奏の技術だけでは 「音楽」 はできません。また 「感覚」 があったとしてもそれだけでは正しく音楽を解釈しているとはいえないでしょう。本著は、音楽を演奏するすべての人、特に、「バイエル」 程度の教則本を卒業した人や、小・中学生にもわかるように書かれた 「音楽の意味」 を解きあかす道具箱になる本なのです。」
<--前半はそのとおり。後半ですが、確かに「そんなの知ってるわい」とおもうが、よく読むと面白い。まあ、最低限の知識が書かれていて、楽しく理解を確実にする本と思う(言っておきますが、中途半端に楽典を理解している人向きです。きちんと理解している人には不要です)。なお、別のHPには「もともとは音大受験生に書かれた本」というのもあった。とすると、前記の書評が書きすぎかも。私も、小学生には無理でないかと思ったんですが・・・。

ちょっとこの本からの抜粋をすこし。

arpeggio(アルペジオ)
これは、ギターの世界では当たり前の用語です。この本での記述を抜き書きしておきます。すでにわかったつもりのこの言葉でも、あらためて楽典を読んでみると参考になる。
この奏法はクラヴィコードのために考えられた。クラヴィコードは音が減衰しやすいので、持続させたい和音の急激な減衰を補うために考えられた。<---ほうほう。
近代のアルペジオは低音から上に上がるのが普通だが、上から下にさがる奏法もあり、古い楽譜で出てくる。<--ほうほう。ネッサンスの曲の(ギターの)楽譜には上から下へのアルペジオ指示のものがある。
現在のアルペジオには、和声的なアルペジオと、その後に発達した装飾的なアルペジオがある。和声的なアルペジオとは最初の音が拍(ビート)と一致するもの。装飾的なアルペジオとは、最後の音がビートと一致するもの。<---ふむふむ
前打音付きアルペジオとしてショパンの曲の例が載っている。この表記はギターでは見かけない(と思う)。ただ、このようなアポジャトーラ(倚音)付きアルペジオというものを知っていると、なんかの時に役に立つかも。

Fuga形式
複数の声部で構成され、「模倣」が最も円熟した形式で対位法という特殊な奏法によって書かれている。<---ほうほう。でも、対位法は特殊なんだろうか。
この模倣をイミテーションと言い、フーガの主題をドックス(dux)と言い、その模倣(応答)をコメス(comes)という。<---ふむふむ
フーガは各声部を平等に扱う必要があり、運指の不都合からレガートすべき音群を切ってしまうと、フーガとしておかしな曲になってしまう。<---ふむふむ
フーガでは、最初の主題で決めたアーテキュレーションを途中で変更することなく最後まで持続ずることが絶対条件になっている<---なるほど

当たり前といえばそれまでですが、真摯な気持ちで読んでみようかと。
・・・・簡単ですがここまでです。