首記タイトルは、ギター愛好家「越後屋つれずれ日記」のブログで使われていて、我が家の旅行にもぴったりなので、勝手に使わせていただきました。「チープ」というだけあって立ち寄った「ひもの」の店でもたくさん味見して元をとりました。

●土日のチープな伊豆旅行
ホテル伊豆高原今回の伊豆旅行は、身近な人の学校関係の保養所のような伊豆高原のホテル(左記写真)に行ってきました。そのホテルは桜並木の別荘地の枝分かれした道の奥のほう、道路沿いの豪華な別荘を通り越したところにありました。この不況のなか旅行ができるだけでも幸せかと思いつつ、トレンディではありませんが、そのホテルも満員でよかった。

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ずし
右の写真はステンドグラス博物館(ほんとうは結婚式場)に行く途中の喫茶店で撮った写真です。ここの景色はすばらしかった。なお、その博物館では、1930頃のイギリスの教会から持ってきたオルガン演奏を聞いた。パイプの一部は木製で、通奏低音の響きが体に心地よかった。


で、伊豆旅行で聞いたCDですが、いろいろ聞きましたが有名な下記CDを取り上げます。

●J.S.バッハの二声のインヴェンションとシンフォニア/グレングールドグールド
いわずもがなですが、この曲は「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集」からのもの。正式名称は下記のようにとても長い(らしい)。

クラヴィーアの愛好者、とくにその学習希望者に、(1)二つの声部をきれいに弾きこなすだけでなく、更に上達したならば、(2)三つのオブリガート声部をも正しく、かつ、手際よく処理し、あわせて同時にインヴェンツィオをたんに得るだけでなく、それをたくみに展開し、そしてとりわけカンタービレの奏法をしっかりと身につけ、しかもそのかたわら作曲への強い関心をも養うための明確な方法を教示するところの、正しい手引き


このタイトルは含蓄があり、これだけでも(私には)バッハの凄さと律儀さ(言い換えれば堅物さ)がうかがえる。「アンハルト=ケーテン侯宮廷楽長J.S.バッハ これを完成す。1723年。」とも書いてある(ようだ)。息子フリードマン (1710年 - 1784年) とエマニュエル(1714年 - 1788年)のために作ったようだ。久しぶりにこのCDを聞いて、インヴェンションの素晴らしさを改めて感じた(私の程度でも、それなりに理解できるということかもしれないが)。私も、ときどきギター用の二重奏用楽譜で一人で適当に別の声部を入れながら弾いています。
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でも、私の好きな二声のインヴェンション13番は早いだけのひどい演奏と思う。ピアノの音もへたっていて気に食わない。くっきり輪郭があり且つ透き通るような音が聞きたくなる。グールドはなぜこんな音が好きなのだろうか。(私が言うまでもないですが)それでもグールドの演奏は全体としてすばらしい。それは、曲集全体を作品としてとらえているためなのではないだろうか(たぶん)。その一方、この曲で別の人のCDを聞きたい気もしてくる。なお、アンドラーシュ・シフのCDも持っていますが、ところどころに出てくる装飾音が好きになれない。今日改めて聞いてみましたが、私にとっては記憶に残らない演奏と思える。これに比べるとグールドの二声のインヴェンションはピアノの音は別として心を動かされる。他の方はどう感じるだろうか・・・。

●記憶に残るエピソード
前記のグールドのCDをかけた時、身近かな人がなにげなく「この音は高音と低音のバランスが悪い」と言った。私は、これを聞いて驚いた。実は、最近運転中に低音を響かせたいと思い、車のステレオの音のバランスを低音を強調するように変えたのです。それで、言われるまま高温を低音のバランスを取ったら、そこで「これならいいかな」という返事をもらった。私は、すこし冷や汗をかきました。実は、それを指摘されるまで低音を強調するよう設定したのを忘れていて、全く疑問に思わなかったのです。耳のよさは先天的なものと思いますが、すこし辛い(単に私がすこし疲れていたためとも思われるが・・・、負け惜しみです)。

残念ながら、今回の旅行で本はほとんど読みませんでした。伊豆は東京から車で行くには近いようで(渋滞があるので)遠い。結構疲れる旅行でした。今度は電車にしようかと。

・・・ということで。