瑞江●はじめに
右の写真は、昨日行った江戸川区瑞江の喫茶店(cafe BLESS me)です。私も私の身近な人も、テリトリィの東京江戸川区・江東区界隈ではかなり気に入っている喫茶店で自家焙煎のコーヒーも売っています(煙突があります)。店の中は、弾いてはいけない(と書いてある)ピアノとJAZZ雑誌(SWING)と絵本などがきれいに置いてあり、窓の外には小さいながらイングリッシュ風の庭が見える。カウンターもいかにもコーヒー専門店という感じであり、そして、コーヒーがとてもおいしく、いろいろな種類のコーヒーがある。おそらくマスター(コーヒーマイスターという資格も持っている)と奥さんはクリスチャンで、使い古したような聖書と賛美歌の楽譜が置いてある。それで(というか残念ながらというか)日曜日はお店はお休みです。

注)"Bless me(ブレス ミー)"とは「祝福を」という意味らしい。

で、本題です。

●バッハ全曲踏破の現状
表題の「バッハ全曲踏破」はこのブログで昨年の5/17(日)に江東区の江東図書館でCDのバッハ全集を発見し、宣言したものです。その時は図書館で2か月に1~2巻CDを借りて聞いていれば、2~3年で全部聞けるかなという感じで始めました。昨日(11/29)、古楽に対する知識の深さと真摯なアプローチに感嘆しつつ、「私のお気に入り」にさせて頂いているogawa_jさんから「その後の状況は?」との質問がありました。記憶にとどめていただいていることを(とても)うれしく思いつつ、ちょうどいい機会でもあり、以下にその後の経緯を整理しました。

迷わずまっすぐ目標に向かっていた時期(2007年下半期、第1期)
バッハ全集についている膨大な解説書(全15巻)を読みつつ、図書館からCDを借りて順調にバッハの曲を聞いていた。実際は、過去のブログを見るとテーマはばらばらでかなりいい加減なのですが、それでも今まで敬遠していたバッハのカンタータを意識して聞いていた。その過程で、バッハ研究者の主な方、地元仙台で教会のオルガにストと大学での研究を地道にやっている川端さんのことなども知ることができ、バッハに関する理解が深まった。
拡散期(2008年上半期、第2期)
第2期になると、遅まきながらバッハの奥の深さを知り、関連したいろいろなことに興味が拡散してきた。バッハに至るヨーロッパ中世の思想とか、その中心にあるキリスト教の歴史に興味が移り、音楽そのものというより、その背景となる事項の本を読むのが面白くなり、すこしづつ(聞いたことがない)いバッハの作品そのものを聴くのが減ってきた。
寄り道期(2008年下半期、第3期)
この考えが良いかどうかは別として、ヨーロッパ中世の音楽をバッハにつながる前史としてとらえ、私の中で再構築したいという意識が強まった。ちょうど「ドイツ・ハルモニア・ムンディ50周年記念ボックスセット(CD50枚)」を5千円という私向きの値段で購入したこともあり、このボックスセットをベースにバッハ以前の音楽を聴き始めた。その結果として、新しいバッハの曲を聴くのがさらに減ってきた。なお、このボックスセットは、私にとってほんとうにいい時期に発売されたと思う。

という経緯をたどり現在に至っています。
おそらく、次はバッハ全曲踏破(われながら大げさなことばだなと思いますが)の再スタートになるかと考えています。ただ、今までの蓄積した(乏しい)知識をそれなりに生かして、バランスよく聞いていきたいと思っています。

で、バッハ全曲踏破の進捗状況です。
樋口隆一の新潮文庫バッハの後ろについている作品目録に、全曲踏破を宣言する以前からマーカーをつけてチェックしています。
ばっは協会カンタータ
全200曲のうち1/4程度です。ただ、ここはクリスチャンではないが、歌詞やその背景をある程度知っていないと聞いたことにはならないし、面白くない。それでゆっくり教会歴とかと関連づけて聞こうと思っています。いい機会があれば演奏会で聞いてみたい。そういえば、来年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンのテーマはバッハだった。でも、めんどうなので"はしご"はしたくないし~。
世俗カンタータ
これも有名どころしか聞いておらず、1/4程度です。やはり、言葉の壁は大きいですね。
モテット
BWV118を除いて、BWV225~BWV230全部聞いた。CDは、コンラッドユングへーネルのとビリヤードアンサンブルのを持ってます。
ミサ曲・マニフィカト
聞いているのはミサ曲ロ短調とマニフィカトぐらい。ここらは、意識して聞かないとなかなか踏破できないです。
受難曲・オラトリオ
BWV245ヨハネ受難曲、BWV247マルコ受難曲を除いて聞きました。鈴木雅明のBCJの6大宗教曲ボックスセットが出ているので、これを買おうかと思っています。ただ、これらの曲に対してはミサ曲と合わせて、バッハが生きた時代とバッハが考えた世界が違っても、異邦人の立場ながらバッハの考える普遍的なものに、多少なりとも近づきたいと考えています。
コラール
作品集としては多少抜けがあるかもしれないですが、たぶんバッハオリジナルは全部聞いたと思います。4声のコラール集、シェメッリ歌曲集は図書館で借りたので、自前で購入しようかと思っています。アンナマグダレーナのための音楽帳は、映画(DVDで売っている)を見てみたい。
オルガン曲
コープマンのを中心に2/3は聞きました。台東区中央図書館にコープマンのオルガン演奏が全部あるので、ここで借りて全部聞こうかと。たぶん、テルデックのバッハ全集もコープマンの演奏だったような。ただ、別CDのほうが解説があるので、こちらで聞いています。なお、ほんとうはオルガンの響きは残響時間の長い教会で生で聞きたいと思っている。今後は、意識して生演奏を聴いていきたい。
クラヴィーア曲
BWV992、BWV993はたぶん聞いていない。それ以外は全部聞いています。
リュート曲
これは、私のベースの曲であり全部聞いているし、人に聞かせられるかは別としてギターで全部弾いている。CDでも、ギター、リュート、ハープシコードもマイコミュラーさんのを持っています。なお、ナクソクでもハープシコードにガット弦を張ったラウテンヴェルク(もどき)の2枚組CDが出ているので、これも買おうかと思っています。
室内楽曲
この分野の曲は全部聞いている。ここに、無伴奏ヴァイオリンや無伴奏チェロ組曲が入っています。これも、もう少し幅広くCDを買って聞きたいと思っています。
協奏曲・管弦楽曲
BWV1044の合奏協奏曲を聞いていない(たぶん)。それ以外は、全部聞いている。ブランデンブルク協奏曲や管弦楽曲は複数の楽団の演奏を聴き、さらにもうすこし増やしたいと思っています。ただ、私にとっては、ヴィバルディのヴァイオリン協奏曲から編曲ものが懐かしい。特に4つのチェンバロのための協奏曲などは、最初にヴィヴァルディのオリジナルを聞いてその後バッハの編曲版を聞いたので(大学時代のことです)、その編曲版に受けた衝撃を今でも鮮明に覚えています。私はヴィバルディの曲も明るくて好きなのですが、さらに華麗なバッハ編曲版も好きです。
その他(カノンなど)
BWV1087を聞いていないような。それ以外は全部聞いている。音楽の捧げ物、フーガの技法は複数の演奏家のものを聞いていきたい。

こうやって整理してみると、やはり教会カンタータと世俗カンタータの声楽曲がだいぶ残っています。
当面の目標として、来年夏ごろまでにこれらの声楽曲を半分程度は聞きたいと考えています。なお、オルガン曲は全部聞けると思う。そうすることで、J.S.バッハの作品、バッハ周辺の作曲家の作品、そして、バッハ以前の声楽曲やオルガン曲も、よりいっそう楽しく聞けるのではないか思っています。

・・・ということで