西部戦線異状なし-エビアン今日は身近な人の通信簿書きがやっと終わり、その気晴らしに銀座か日本橋に行くことにしています。私が町に出ても、行くところは本屋、CDショップ、あとは喫茶店です。この3つのどれかが無い町は、私には少し色あせて見える。それ以外、私の身の回りは、殆ど近くのスーパー等(江東区のダイエイ東大島店、南砂町ジャスコ、ユニクロ)で調達しています。この生活は、大学時代から変わっていない。
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大学時代のいきつけは、仙台駅前のエンドーと一番町の長崎屋、デパート丸光裏のラーメン屋(名前を忘れた)、本屋(一番町の金港堂、中央通りの宝文堂、郊外に出した支店があだとなりつぶれた高山書店、今は無い仙台駅前アイエ書店、昔一番町にあった丸善など)、一番町にあった映画館「名画座」あと喫茶店です。今も残っている喫茶店ではエビアンぐらいか。上の写真は、駅ビルエスパル地下のもので、大学時代のものとは違います。そうそう、忘れていましたが、今は無い仙台駅横のボロビルにあった仙台唯一のギター専門店「つたや」も良く行きました。ここの思い出は多いので、気が向けば別の機会に。
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話を戻すと、ボーナスも入ったことだし(右から左ですが)、銀座に行ったらなにかCDを買おうかと。なお、身近な人からのクリスマスプレゼントもCDかDVDをお願いしています。私からは、すでにかなり早い時期に、もらう分の3倍ぐらいのものを買わされています。

で、首記の本です。

●バッハ伝承の謎を追う/小林義武/春秋社
この本は第7章まで有ります。前報で第1章を(いいかげんに)済ませているので、第2章から3回ぐらいで終了させようか。もちろん、これは自分のためにやっているので、興味が有る方がおられれば、自ら購入することを進めます。私は、読んだ本はつまらないと思っても、それなりに役に立つっているので、読んだ本で無価値と思ったものは有りませんが、この本はオススメです。

●第2章演奏習慣の諸問題
ここは、技術的なところが多い。内容は、以前購入したNHK放送大学の本や、図書館で借りたバッハ全集の解説本にも同様なことが書いてあった。以下は私が面白いと思った抜き書きです。
忘れられた演奏習慣
・演奏週刊の問題は1)記譜法、2)楽器、3)器楽/声楽編成、4)奏法の4つに分けられる。
・ブラームスはシャコンヌが好きで自分でピアノ用に編曲して弾いていた。でも、片手をクララ・シューマンに捧げた左手のためのシャコンヌとは違うんでないかな~。ブラームスは両手が使えるんだから・・・。
記譜法の問題
・レチタティーヴォの通奏低音の音の長さ。<--小林さんの意見は、音が汚くなる場合とかあるのでケースバイケースという意見か。
・付点音符の音価、複付点の奏法<--小林さんが例示した記譜されたものと実際の演奏を比べると、演奏の難しさがだいぶ異なる。
・フェルマータの2つの意味
・多義的なスラー<--バッハは自分で弾くために楽譜を書いたので、適当で良かった。それが、後世の演奏の困難を与えた。市販の楽譜はある種の解釈済みのものなので、プロの人は原典に戻る必要があるのだろう。
装飾音についての誤解<--フリーデマンに与えた練習曲の冒頭に記号と奏法の解説が転記されている。これは、私も愛用しています。そう言えば「バッハのトリルは上からのものしかない」と言ったら友人らしき人から「なんでだ」と反論され答えに窮した記憶があります。小林さんは、このフリーデマンに示した装飾音の奏法はバッハの装飾の全てではないと例を示して言っている。バッハの装飾音は、バッハを弾く場合かならずぶち当たる課題だ。私のような一介の愛好家にも参考になる。私が弾いているリュート曲、無伴奏ヴァイオリンやチェロ組曲の場合はどうだろうか?。今のところ、殆どはバッハが息子に示した装飾方法で事足りると考えています。
楽器特定の難しさ
・バロック時代の楽器は、現代とは異なる楽器だった。それで、その楽器を正しく特定しないと音楽の響きまで異なってくる。ただ、私は、バッハのリュート曲をギターで弾くので、余りこだわりはない。ただ、室内楽の場合、楽器の編成は重要であり、原点としてオリジナルの響きを探すことは重要と思う。それを知ってこそ、編曲物の面白さが見えてくる。
・当時の楽器として、下記が挙げられている。
ヴィオラ・ポンポーザ(バッハの発明)、タイユ(オーボエ・ダ・カッチャ)、フルート(リコーダ、フルート・トラヴェルソではない)、ヴィオロンチェロ・ピッコロ、トロンバ・ダ・ティラルジ(スライド・トランペット)等々。<--バッハの意図した楽器はなにかと今でも研究が続けられているようだ。なお、バッハが発明した「ラウテンベルク」に対する言及がないのが(ちょっと)寂しい。
器楽および声楽編成の問題
後報
合唱団の構成
後報
奏法の問題
後報

●聴いたCD
西部戦線異状なし-あラフマニノフ ピアノ協奏曲1番、2番/ツインマーマン(Pf)、小沢征爾/ボストン交響楽団
このCDは、けっっこう気に入っています。バッハに飽きたとき聴くCDの一つです。ドビッシーの暗~~い交響曲海なんかも好きです。なお、有るブログに「古楽は栄養失調の音楽」というのがありました。「うまいこというな~~」と感心しました。たしかに、iPodなんかで聴くと古楽は貧弱に聞こえる(場合がある)。バッハや同時代の作曲家に敬意を払い、作曲家が意図した響きを求めるという意識無くして古楽は、単なるくすんだ音楽と感じるだろう。私も、TVでたまに聴くバロック・ヴァイオリンの音が、なんとつまらない音なんだろうと思ったことがある。ただ、これらの楽器が、例えば宮廷の広間や教会で聴くと、その深いあじわいと響きを感じるのかも知れない。リュートの音もそう言うところがある。古楽は、適切な場所で生で聴くのが良いのだろう。でも、それは誰もが体験出来るわけではない。優秀な録音技師と録音環境が大事か・・・。同様に、ボーイソプラノなんかも、誰でも良いと言うわけではないと思う。これは、バッハもそう言っています・・・。

・・・ということで。