実は数週間前にリビングにあるブラウン管型TVが壊れた。約9年お世話になりました。あと1年がんばってほしいと思っていたのですが、やはり我が家の酷使には耐えられなかったようです。「いろいろご苦労様でした」ということで、錦糸町にあるヨドバシで液晶TVを購入しました。最初は、8万円程度で買える32インチにしようかと思ったとですが、結局37インチにしました。ビデオ無しのやつです。なるほど世の中進歩したもので、デジタル放送は便利だな~~と思っています。一昨日ですが、リュートやテオルボ(アーチェリーリュート)やハープシコード伴奏の歌を見て、液晶とディジタルTVの良さを感じました。でも、つくづく、近未来が実現したな~~、ても人間は変わらないな~~と感じています。

で、首記の話です。

●J.S.Bach Music for Lute-Harpsichord"/Elizabeth Farr
西部戦線異状なし-バッハ以前からこのCDがあることは知っていました。先週の平日、やっと意を決してクリスマス・イヴの日に購入し、この土曜・日曜で聴きました。楽器は、確かに音は、ハープシコードとリュートの中間の感じる。なお、再現したリュート-ハープシコードは、2段鍵盤で、1段が8フィートのガット弦、2段目が4フィートのブラス(黄銅)の弦になっている(制作者のKeith Hillさんの説明)。演奏も、なかなか力量がある演奏家と思いました。これで、私のJ.S.バッハのリュート曲のCDとして、ギター/リュート/リュート・ハープシコード/チェンバロという演奏がそろったことになる。これに、ピアノ演奏があっても良いかも知れない。なお、このCDで、BWV994(無伴奏ヴァイオリンソナタのBWV1003の編曲版)とBWV990を聴けたのは良かった。また、BWV999の違った演奏も聴けて良かった。というのは、フレーズが本声、エコーの繰り返しで弾いていた。これは、マイコさんの弾き方とは違う。なお、このCDを聴いて、改めてマイコさんの演奏を聴くと、彼女のすこしゆっくり目の音とフレーズを大事にした演奏、そこにバッハとリュートという楽器に対する敬意が感じられ、その感覚に改めて好感を持った。

●収録曲
●Disk1
Lute Suite in G minor, BWV 995
Lute Suite in E minor, BWV 996
  Lute Partita in C minor, BWV 997
Prelude, Fugue and Allegro in E flat major, BWV 998
Prelude in C minor, BWV 999
Fugue in G minor, BWV 1000
●Disc 2
Lute Partita in E major, BWV 1006a
Keyboard Sonata in D minor, BWV 964 (after BWV 1003)
Sarabande con Partite in C major, BWV 990

●ライナーノートより
「バッハは、リュートに対する興味を生涯にわたって失わず、リュート曲を作曲し続けた。」
このような解釈はすばらしい。一介のギター愛好家でもうれしい。確かにリュート曲の作成年代はバッハの20代から50代まで生涯にわたっている。ヴィオラ・ダ・ガンバの作品がバッハの晩年には無くなるのと対照的です。
  ★
そして、リュートのオリジナルBWV996は、1712年より早い時期、ミュールハウゼンのころかその後に、かれの"earliest surviving work"として作曲された。つまり、この曲はラウテンヴェルク用の曲ではなく、リュート曲と解釈できる。ただ、残っている楽譜はタブラチュアではないが・・・。このライナーノートは、エリザベスさん自ら書いていますが、BWV996のプレリュードには「ブクステフーデ等の北ドイツの音楽の影響が見られる」と言っている。これは、バッハが20歳の1705年にプクステフーデの演奏を聴くため、四週間の休暇をとりリューベックヘ旅行したことが反映されていると言っているのだろう。なお、バッハの晩年のリュート曲はBWV997で1740年頃の作品です。この2番目はフーガです。バッハがフーガを極めつつあるのが、リュート曲にも反映されていると思うとう少しうれしい。

西部戦線異状なし-ミュラー色々書きたいことがありますが、今日は郷里に帰ります。
結論を急ぎます。

結論から言うと、この方(エリザベスさん)もなかなかの力量を持っている。ただ、マイコさんのチェンバロによるバッハのリュート曲を聞き返し、その演奏解釈の深さ(すこしゆっくり目の演奏、いろいろ考えて演奏しているんだろうという感じ)、そして、チェンバロによるバッハのリュート曲演奏の良さも再認識しました。もちろん、リュートそのものも、また、ギターによるバッハリュート曲もなかなか良いと思っています。

・・・ということで