アーミー・オブ・シーブス | トンデモ・シネマの開祖

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アーミー・オブ・シーブス



「ニーゲンベルグの指輪」に因んだ3つの金庫を破る為、金庫破りの名人ディーターが仲間達と挑む。「アーミー・オブ・ザ・デッド」の前日譚になっている。


正直いうと、無理矢理出てくるゾンビ・エピソードが悲しいぐらい要らない。


犯行シーンも少々、お粗末。

味方のハッカー少女がなんでも開けちゃうし、防犯カメラやエレベーターも遠隔操作しちゃう。じゃあ、金庫も開ければ?と思っちゃう。


メインの金庫を開けるシーンが、特に残念で3DCGのみで、さほど盛り上がらない。

金庫の名にまつわるオペラ・エピソードも長々と語るが、肝心の金庫の仕組みや形状の種類などのメカニックな説明もなくて、単なるダイヤル式で右に回せば大抵開く。

形は美しいが、防犯性がない様に見えた。


オマケに何故か、恋愛についても、何故、発起したのか?終了したのか?という明確なものがなく、中学生の恋愛みたいで説得力に欠ける。

見かけが好き!みたいな話では、なんか伝わらないかも。


特に終盤に近づくにつれ、行き当たりばったりばったり感が拭えない脚本で緊張感がまるでない。


ただ、映像は美しく、テンポも悪くない。

また、俳優は中々、演技を頑張っていて、主演のマティアス・シュヴァイクホファーは仕草や姿勢、歩き方まで作り込みが見え、演技の重要性を肌で感じれる。


実際、演技力により、「?」だらけの内容も気にならずに、スラスラと観れた。


ただ、監督自身も主演のマティアス・シュヴァイクホファー自身が勤めており、複雑な気分だ。


予算をもう少し上手く配分して、台本にかければ、傑作になっていた様な気がした。


ただ、面白くないわけではないので、観れたいものがない時に流し見するなら、ちょうど良いかも。