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べちー子’s駄文保管庫

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徒然なるままに
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なんとなーく思いついたネタで薄桜鬼2次小説かいてみました。
そこそこエロくできるようなできないような。
行き当たりばったりな小説なので私も展開がどうなるかわかってないっす。←オイ
よかったら読んでやってくだしー。

***************

「えいやぁあああ!」
「たぁあああ!」

大きな声と木刀の交わる音が響き渡る。


私が屯所に来てからずいぶん経つ。
最近は簡単なお使い等で外出も許可されるようになった。
だけど剣の腕が全くない為に迷惑をかけることも多々あり、
そんな自分に嫌気がさしていた。
いつまでもお荷物ではダメだと思い、
数日前から剣の稽古に参加させてもらうようにしたのだ。

今日の稽古当番は斉藤さんと沖田さん。
初心者の私は斉藤さんから一対一で指導をうけていた。

「重心をしっかり落とせ。剣に身体をもっていかれるぞ」
「足裁きをおろそかにするな」

普段は無口な斉藤さんだけど剣の稽古となるとすごく細かいことにまで注意をしてくる。

「雪村、何度も言わせるな。重心を落とせ」

「一くんは厳しいなぁ。そろそろ対人稽古させてみたら?」

沖田さんがいつもの調子で言う。

「まだ駄目だ。基本がなってない」

「まぁ、その通りだけど。でも、対人で得るものもあるかもよ」

「ふむ、総司に言う事も一理あるな」

少し考えた様子の斉藤さんは近くで稽古している隊士の1人に声をかけた。

「竹内。雪村と対人稽古だ」

竹内さんは最近入隊した小柄な男性だ。

「え!?いきなりですか!?」

「竹内くんは道場にいた経験もないし、雪村くんと十分互角だよ。」

あわてる私に沖田さんが楽しそうに説明する。
私が困ってるのが楽しいようだ。

「総司の言うとおりだ。技術的には大差ない」

斉藤さんに早く構えろと促され、私は中断に木刀を構えた。

「やぁああああ!」

掛け声を出して木刀を振りかぶったが、剣は相手の木刀にはじかれ私の身体は勢い余って竹内さんにぶつかる。
そのまま2人で倒れてしまい、竹内さんの上に乗っかる形になってしまった。

「ご、ごめんなさい!」

あわてて降りる私に斉藤さんはため息をつきながら言う。

「雪村、重心を落とさないから今のように身体が剣にもっていかれるんだ」

竹内さんは地面に座り込んだまま固まっていた。

「あの・・・大丈夫ですか?どこか痛みます?」

「・・・・・・・・・あ、ああ。大丈夫です。」

竹内さんはハッと我に返ったようで、あわてて立ち上がった。

「よし、今日の稽古はこれで終了。各自今日習った事を忘れるな」

「はい!」

隊士達が片付けを始める中、斉藤さんに声をかけられる。

「雪村、お前はもう少し居残りだ」

「・・・・・はい」

斉藤さんの居残り練習はこの後一刻も続いた。



--------

長州からの命令で数日前に新撰組に入隊した。
目的は幹部の身辺調査兼、内部調査。
といってもまだ数日なので目新しい情報はない。
今日は平隊士の剣の稽古ということで壬生寺に来ている。

「竹内、雪村と対人稽古だ」

突如名前をよばれて動揺した。
数日前に入隊したばっかりの俺の名前をもう覚えているのか。
しかも、剣の腕前まで。
意外と下の者にまで目を見張っているんだな。
しかし剣の腕は俺が隠しているのを気付いてないみたいだ。

相手は幹部連中の小間使いの男か。
初心者丸出しの構えだな。

「やぁあああああ!」

そんな大降りできたら切って下さいっていってるようなもんだろ。
まぁ、俺も剣の腕は同等ってことにしてるからやられてやるか。

「!」

---雪村が俺の上に倒れこんで来た時、女子のような胸の感触があった。
気のせいか?
いや、でも雪村は男にしては声が高いし小柄で丸っこい。
女と言われれば合点がいく。
そうであれば、なぜ男装を?

「あの・・・大丈夫ですか?どこか痛みます?」

雪村に声をかけられて我に返る。
幹部連中の小間使いが男装をした女。
これが事実ならいろいろと情報がでてきそうだ。
調べてみる価値はありそうだな。


***続く***
車で5分ほどの所に先生の家はあった。
10階建てのデザイナーズマンション最上階。
先生は部屋の鍵を開けるとさっさと中に入ってしまい、
私は玄関でどうしていいかわからず置いてきぼりになった。

「何してんだ、さっさと入れ」

「あ、はい。おじゃまします」

出されたスリッパを履いて恐縮しながら先生の後に続いた。
フローリングのリビングは黒の家具で統一され、実に先生らしい。

「こっちだ」

先生に促されて入った部屋は大きな窓にブラウンのフローリング。
そして、真ん中にベッドがあった。

「あ。あの。えっと・・・」

急展開すぎて思考回路がパンク寸前になる。
ソファか簡易的な布団で寝ると考えていた私に
先生の寝室のベッドが与えるインパクトは大きかった。

「ここで寝ろ。そばにいるから」

「わ、私。リビングのソファで十分です。あちらで寝ます」

「何言ってんだ、身体痛めたら元も子もないだろ」

「で、でも・・・」

「いいから、さっさと寝ろ」

「で・・・でも・・・きゃっ!」

押し問答に業を煮やした先生が私の肩に手をかけた。
身体がふわりと浮き上がる。
先生に抱き上げられて私はベッドの上に寝かされた。
少し乱暴に布団を掛けられ、くしゃっと前髪をなでられた。

「時間になったら起こしてやるから、気にせず寝ろ」

「・・・はい」

よしっと先生はつぶやくと、
小さな折りたたみ椅子を持ってきて傍らに座り、本を片手に読み始めた。
不規則に聞こえるパラリという紙の音が私をだんだん夢のなかへいざなう。
(先生のにおいがする)
枕に顔をうずめながら私は眠りについた。

*************

「ゆ・・む・ら・・・・ゆき・・・村」

誰かが私を呼んでる。
でも、今すごく気持ちいい・・・。
この声、誰かの声に似てるなぁ・・・・。
そうだ土方先生に似てるんだぁ・・・。

「ゆきむら・・・時間だ・・・」

時間?何の?
もう少しこのままでいたいなぁ

「んー。後5分・・・」

「後5分寝かしてやりてえが、家に帰る時間だ」

家に帰る・・・?
そういえば先生の家で寝てるんだっけ・・・
・・・・・
・・・・・・・!

ガバッと跳ね起きた。

「す、すいません!寝すぎました」

「その様子ならよく眠れたみてえだな」

ほんとだ。あの夢見なかった・・・。
毎晩のように見ていた悪夢。
常に浅い眠りでぐっすりと眠れたことはここ最近なかった。

「明日は土曜だな。勉強する気があんなら見てやるが・・・」

「お願いします!」

自分の想像以上に大きな声が出てしまい、あっと口を押さえた。
先生はしょうがねえなぁといいながらも顔は笑っていた。

「朝10時にお前の家まで迎えにいってやる。勉強道具忘れんなよ」

「はい、よろしくお願いします」

先生は椅子に掛けてあった上着を羽織ると、車のキーを手にもった。

「お前の家に送るから行くぞ」

私は鞄を持つと先生と一緒にマンションの玄関ホールに向かった。
その様子をカメラのファインダーがのぞいていることを私達は知る由もなかった。