6月30日(日曜日)


りゅうちゃんの小学校での生活も、はるちゃんの年少組での過ごし方も

やっと落ち着いてきました。


兄妹一緒の場所に、通わなくなったことにも

それぞれ慣れてきたようです。


保育園にりゅうちゃんと一緒に迎えに行く時には


「はるちゃーん!!」


「おにーちゃーん!!」


はるちゃんは喜び小さい体で、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら


かけて来る、おにいちゃんを待っています。


抱き合って、ギューとする二人・・。



微笑ましい二人とは反対に、二箇所に迎えにいくようになった

ママの帰宅時は・・時間とのたたかいになりました。(涙)




今週は静岡でバレーのOB会があったので、久しぶりに家族で

静岡のホテルにお泊り・・・・二人は興奮して喜んでいました。


そう、OB会の夜には、昨年の夏に伊東で楽しい思い出をつくった

親友の娘さん、息子君も来ることになっていました。


娘さんは6年生・・・・サツキちゃん。

りゅうちゃんは昨年の夏、サツキちゃんを大好きになり、忘れられません。


サツキちゃんも来ることを伝えると、パパにこっそり質問していました。


→りゅうちゃん


「パパ、男が年が下でも、けっこんってしていいの?」


→パパ


「年が下でも結婚できるよ。」


→ママ


「りゅうちゃん、それならお手紙書いたら?」


→りゅうちゃん


「わかった!かく紙をちょうだい!」


いくつか便箋を見せると、はっぱでもなく、桜でもなく・・・

すこし和風な桔梗の花の絵柄の便箋を選んで、

やっと書ける様になってきた「ひらがな」で想いを綴っていました。


「は」が、「わ」になっていたり、「?」とおもう文章でしたが

りゅうちゃんにとって、生まれて初めてのラブレターです。


親友には、すでにラブレターを書いていることを伝えており

彼女は娘の反応を、私はりゅうたろうの反応を楽しみに夜を迎えました。

(ああ、なんていじわるな女親達なのでしょう・・・・・。)



サツキちゃんの姿が見えると、手紙を持って、りゅうちゃんは駆け寄りました。


→りゅうちゃん


「サっちゃん、ぼく、てがみをかいたの。よんでね。」


→サツキちゃん


「りゅうちゃん、どうもありがとう。」


サっちゃんの顔を見上げて・・見つめている一途な瞳。


そんな一年生を馬鹿にすることなく、優しく微笑みかえしてくれるサツキちゃん。


横の席に座り、気になりすぎて、話すことができないりゅうちゃん・・・。

チラリ、チラリと横目で様子を気にしているのに、

ジュースを飲んだりして、なかなか横を向けないりゅうちゃん。


サツキちゃんも親友が言ったとおり、中々硬くて、

どうも自分を好きらしい1年生の小さな男の子を

気にしながらも、しかし昨年のように打ち解けるようでもなく・・・。


親友と私は、そんな様子を観察しながら体が痒くなりそうでした。


そんな時間を過ごしているうちに、宴はお開きになり、

私達家族はホテルに向かい、親友家族は小田原に帰るため

別れの挨拶をしていました。


→りゅうちゃん


「サっちゃん・・・・・てがみ、よんでね。」


→サツキちゃん


「うん、りゅうちゃん、手紙、読むからね。

 また、遊ぼうね。」



りゅうちゃんは、顔をくしゃくしゃにして、笑っていました。



そうか、そんなに、嬉しいか・・・・そうだよね、勇気だしたよね。

小さくったって、好きな子に想いを伝えるのって、勇気がいるよね。



ホテルに向かう道中、ママと手を繋ぎながら言いました。


→りゅうちゃん


「ママ、サっちゃん、てがみよんでくれるって!


 サっちゃんのおうちって、このまえ合った所にあるの?」


→パパ


「この前は、家族旅行で伊東に来てたんだよ。


 だから、あそこはホテルのようなものだね。


 サっちゃんちは、おだわらって所にあるんだよ。


 伊東からは、もっと先に行ったところだね。」



→りゅうちゃん


「そうか・・・・いってみたいなぁ・・・。」




何度も転勤をしているママにとって、昔居た場所に、


今、一緒に居る人たちと時間を過ごすことは


タイムスリップをしてしまうような・・・。


頭では理解できない、とても不思議な気持ちになります。



少し涼しくて、気持ちよい湿度のある静岡の空気は

りゅうちゃんの甘い想いをのせて、私の体に馴染みます。


子供の頃を過ごした静岡の記憶に、子供と一緒に歩く思い出が

加わりました。