これはこの記事の続きです。
私は発想のオリジナリティを主張したくて、つまり、“L”がやったから書いたんじゃないと言いたくて、作品の投稿だけでもその実現以前に終えたいと思った。
“L”をモデルにしているだけでなく、テーマの主題としてもう一人現役の有名女性ヴァイオリニストをモデルにしていたので、かなりびくびくした。エンディングまで書いてから投稿したものの、私は創作心を満足させつつ“L”への敬愛を表現したいとの欲求でこの作品を日数をかけて仕上げた。この中編作品をようやく書き上げるとサイトに投稿した。
掲載は1回で終われる長さではなかった。私が分けた章に従い、毎月1回の発信で、1年間かけて掲載された。もちろんモデルにされる側の許可を得たわけではない。編集側に要望して「これはフィクションで実在の人物と無関係である」旨のキャプションを毎回つけてもらった。
とはいえファンとして黙って投稿し続けるにはあまりにも彼女と顔を突き合わせるので、こういう投稿をしているということは“L”にも手紙で伝えてある。
実その連載開始と前後して、ただし、それを意識してのことではないのも確実だが、“L”はついに劇場で、演目の一つとして、エレクトリックヴァイオリンをステージで弾くストリップの演目を披露してくれた。そしてそれを観てその感激を彼女に伝えたのであるが、投稿作品の話に触れたと思う。私からの手紙ですでにそのことを覚えている彼女は苦笑した。ただ彼女に演奏曲名を訊いた。ちょっとルール違反だったせいか、それなりに教えてもらったが、そのことでもモヤモヤが生じたような気がする。
一方、小説の内容については彼女にほとんど伝えてはいないが、容易に検索できるだけの情報は教えた。いつでも中止を要求されるかもしれない、という可能性を覚悟する必要はあったが、何か言われることもなく連載は完遂できた。
最後まで彼女の気持ちはわからなかったが、“L”を傷つけた可能性があるとすれば、この作品に絡めてが、まずいちばんだろう。
ストリップの踊り子に対してひそかに妄想を抱き、極端に言えばレイプの妄想を抱いたとして、それを口にすれば、少なくとも気を悪くされると覚悟した方がいいだろう。まあ、「あの時のあなたのベッドを想像してオナニーしてしまいました」と告白する程度なら、笑われるくらいで済むかもしれない。ただしそれを劇場で実行したりはもちろん、写真にとって送り付けるようなことをしても、あなたは『出禁』になります。
この文章作品について言えばネットに公表されてはいるが、たとえ“L”を連想されてもけして本人を傷つけるような扱いにはしていないと思う。
それと同じく、アダルトアーティストがいろいろな役をしても、どのような役だったらファンに悪いということはない。こういう役をやりたくてやったという表明をすれば、不愉快な思いを受けたファンはいたとしても、倫理的に問題ないのだ。
追記 変態小説と言っても、“L”がモデルの女性を変態として扱っているわけではありません。これ以上の内容言及はご容赦を。