これはこの記事の続きです。

サイトFにはひとくくりに言ってアダルトなジャンルが利用するのにうってつけなコンテンツがそろっていて、というのはサーバーが海外に拠点を置いて運用されているらしいのだ。違法な画像を流しても摘発がされにくい。

アダルトと言っても一般的なSNSと大差ない形態の部門もあり、私も実はその手のエロを扱ったブログ記事にチャレンジするため、サイトFのアカウントを持っていた。ちなみに某ストリップ劇場のブログもこれを利用している。

しかしそこにあるチャット形式で発信できる「部門」は、おそらく別格にきわどい。流す番組は出演者によって多様だが、あられもない姿の動画を見せてリモートで収入を得るのに都合がいい仕組みが用意されている。さらにこの仕組みを利用してえげつないシステムを考え、女の子を出演者に誘い込んで番組枠を持たせて、集金させることを仕掛けた連中がいるのである。

そこは女の子（男もいる）一人一人の番組である。

出演する女性はおおかた無名の素人だが、もともとのアダルト経験者が、何らかの形で誘いによってこの仕組みに参加することも多いらしい。彼らは自室にその装置を設置させるかもしくはそれを擬したスタジオに出向いてカメラの前に座るのだと思われる。

あらかじめ無料の画面と有料画面が切り替えられるようになっており、無料画面でチャットによる会話を進めながら、胸や局部を露出するような場面などで有料に切り替える。それは女の子側が装置を触って切り替えるが管理者がいて切り替える場合もあるようだった。

据え付けられた1台のカメラに向かって、女の子がエロティックなポーズを見せたりトークで視聴者のリクエストを誘ったりして課金を誘う。課金とは視聴者が購入するコインである。この仕組みは無料画面でも使われ、無料のまま見ることができるが、自分の支配欲を満たすために「投げ銭」を投じる。そこに遠隔操作の仕掛けが用意されている。

その中心的メカニズムが「リモチャ」とよばれるツールで、「リモートで動く大人のおもちゃ」という意味である。それを出演者が自ら装着し、投入されるコインの額に連動してそれが断続的に振動する。

さらに、坐っている背後にはおもちゃのロボットが、ソファーの横にはピストンバイブがおかれ、コイン投下に連動して鳴動し音を立て光を放ち、身もだえする出演者をはやし立てるといった仕掛けもセッティングされている。

この仕組みに乗っている番組は相当数ある。一度ライブ中継された画像は、アーカイブとしても繰り返しランダムにオンエアされるが、その場合はいくらコインを投入しても意味がないのに、そこにもコインを投下する人は限りなくいるようだった。

サイトFのチャットに出演していた“L”の偽名と思しき女性を、“L２”と呼ぶことにする。

その出演番組がアーカイブなのかライブなのかということはURLで区別されているはずなのだが、私が初めて“L2”の見た姿がどっちの画面だったのかまだ知識が不確かだったため確定できない。劇場出演の期間中の何れかの日に“L2”としてFサイトで出演することを予告されていたし、実際一度以上はそのタイミングで出演したと思っている。