闘いが始まった‥⑨ | 脳梗塞の妊婦。そして母。

脳梗塞の妊婦。そして母。

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ほんのひとときのお乳の時間。




あっという間に時間は過ぎた。





その後





お乳が張らないように

出ないように…



私は薬を飲まなくてはいけなかった。







もう







絶対にあげることはできない。






……辛かった





>言いようのない……

辛さだった……。



8月26日。
あの日…
あの時…
あの時間…。

いつもと変わりない時間が過ぎていたなら…





そればかり考える毎日がこれから続くことになる。









ごめんね……


さーちゃん…


……おっぱいあげれなくて


ごめん……。















毎日、ミルクの時間になると助産師が、私の病室まで娘を連れてきてミルクをあけることとなった。

私がそうしてほしいと頼んだ。

普通に赤ちゃんを産んだお母さんは、授乳の時間になるとお母さんが授乳室にいってお乳をあげる。



…でも私には





どうしても

それができなかった。




他のお母さんに会うのが怖かった。





…他のお母さんの
幸せそうに赤ちゃんにお乳をあげる姿を見たら…





私は

きっと……







生きれなくなる……





そう思った。




そうじゃなくても…



あの時


>生きている自分で



いっぱいいっぱい

だった。






見えない目が

動かない身体が

怖かった……







それでも
私なりに精一杯に娘に声をかけた。

しかし、やっぱり




自分の身体の不安の方が強かった。

娘に精一杯、不安を隠して声をかけた。


だけど…





私の目は半分消える。

体半分、痺れてる。



私を取り巻く人たちには、見た目には私はいままでと全くかわらない身体に見える。


だけど私はもう違う。





見てはわからない障害との闘いの毎日がこれから始まる……