ほんのひとときのお乳の時間。
あっという間に時間は過ぎた。
その後
お乳が張らないように
出ないように…
私は薬を飲まなくてはいけなかった。
もう
絶対にあげることはできない。
……辛かった
>言いようのない……
辛さだった……。
8月26日。
あの日…
あの時…
あの時間…。
いつもと変わりない時間が過ぎていたなら…
そればかり考える毎日がこれから続くことになる。
ごめんね……
さーちゃん…
……おっぱいあげれなくて
ごめん……。
毎日、ミルクの時間になると助産師が、私の病室まで娘を連れてきてミルクをあけることとなった。
私がそうしてほしいと頼んだ。
普通に赤ちゃんを産んだお母さんは、授乳の時間になるとお母さんが授乳室にいってお乳をあげる。
…でも私には
どうしても
それができなかった。
他のお母さんに会うのが怖かった。
…他のお母さんの
幸せそうに赤ちゃんにお乳をあげる姿を見たら…
私は
きっと……
生きれなくなる……
そう思った。
そうじゃなくても…
あの時
>生きている自分で
いっぱいいっぱい
だった。
見えない目が
動かない身体が
怖かった……
それでも
私なりに精一杯に娘に声をかけた。
しかし、やっぱり
自分の身体の不安の方が強かった。
娘に精一杯、不安を隠して声をかけた。
だけど…
私の目は半分消える。
体半分、痺れてる。
私を取り巻く人たちには、見た目には私はいままでと全くかわらない身体に見える。
だけど私はもう違う。
見てはわからない障害との闘いの毎日がこれから始まる……