先月の10月24日の朝、コマも旅立ってしまった。


前の晩は、ひとりコマに付き添って、もう動くこともできなくなっていたコマの体位変換をやり続けた。




コマは最期まで頑張った。


逝く時は、見ていられないくらいに苦しんだ。



あの可愛い顔したコマは、途中でもう体重をはかることも嫌になるくらいどんどんやせていった。


そして、体を何度もよじらせて苦しそうにもがきながら逝った。





コマまでもが逝ってしまった。



家のなにもかもが寂しくてたまらない。


最近は、泣きすぎて横隔膜?がつることが増えた。





猫の名前を呼ばない毎日。



2つ並んだ骨壺。



なんなんだろう。


本当になんなんだろう。




毎日がツライ。




コマの尻尾はこんなに長いのだ。







長過ぎだろーーー!!!!





本日のコマさん。






ダル~~…。




お願いだから餌を食べておくれ(´;ω;`)

限定記事続きになりそうなんでちょろっと更新。









コマが先月下旬から体調を崩してまして。







ずっと容態が思わしくなく毎日のように通院の日々だった。









輸液したら足に溜まってしまった時のもの

(不機嫌そうな顔w足の太さが違っちゃってる)






とにかく毎日ハラハラして過ごしてたけど、ようやく昨日辺りから落ち着いて来た感じ。















コマも16歳。




ヨタの16歳当時と比べれば、見た目はかなり若々しいコマなんだけど、コマの方が確実に抵抗力が落ちてる。





ヨタが死んじゃったのも影響してるのかな…。

















現在はこんな





こうして丸くなって寝る姿もかなり久々に見た

















そういえば昨日録ってあったドラマを見てた時に初めて見たこのCM。





もう見た瞬間に涙腺崩壊。


ストーリー自体泣けるんだけど、とにかくこの猫がヨタにそっくりで。


。・゚・(ノД`)・゚・。


本当に表情というか雰囲気というか、とっても似てるんだよな。


一緒に見てたコマも反応してたw






ようやく体調がやや良くなったコマだけど、これから定期的に輸液に通わなきゃならない。



大変だけど頑張らなきゃ。

3月下旬から、全く書けてなくて、とりあえず書けてるところまでアップする。










それから少ししてヨタの様子がおかしくなった。






ヨタの定位置だったソファーで横になってたヨタが口を開けて呼吸をし出した。



ヨタが口呼吸してるよ!!と母親を呼んだ。



ヨタは口を開いて呼吸をしててそこから少し舌先が覗いてた。






これって苦しいからだよね!?


どうしよう、ヨタ苦しいのかな!?


って聞きながら私はパニクってた。








猫が口呼吸をする時はとても苦しい状態の時だという事を、私はヨタの死後に調べて知ってとてもツラかったんだけど。



この時の私はそれを知らなかった。



ヨタがどれだけ苦しんだのか想像すると今でも本当にツライ。







私はただただ、ヨタ苦しいの?って何度もヨタに聞いて、体を撫でる事しか出来なかった。





ヨタのお腹に手をあてたらドキドキドキドキとヨタの心臓の鼓動が伝わって来た。



鼓動はとても速かったけど、ヨタの心臓は力強く動いてた。


死ぬって事は、これが止まってしまうって事なんだって考えてみても、実感はわかなくて。


ただヨタの鼓動を手のひらで受けて、この感覚を覚えておかなきゃって思った。













ヨタがちゃんと聞こえるうちに伝えなきゃ!と思ったから、ヨタに何度も何度も



ありがとうね、ヨタ本当に今までありがとうね、って繰り返した。



私のとこに来てくれてありがとう、大好きだよ、って泣きながら繰り返した。






でも、ヨタはそれから二時間くらい懸命に頑張ったんだ。



あんなに早くお別れを言っちゃって酷かったなって思う。



ヨタは多分、失礼な!って思ってたろうね。
















ヨタは口呼吸を始めてからも、徘徊をやめようとはしなかった。


さっきと同じように、うちの中を歩き回った。



そして私もそれにずっとついて回った。







そしてヨタは、次第に腰が立たなくなった。



歩いても後ろ脚がもう言うこときかない感じで。



フラフラで、腰を支えてあげないと倒れそうになってた。




その姿を見ながら私は、前に見た『ペン太のこと』のあるシーンを思い出していた。



死期の迫ったペン太が、どんなにフラフラになろうと飼い主の後をついて回ろうとするシーン。


あちこちぶつかりながら、寝てなさいと言われてもついて回ろうとしてたペン太の姿。




あれを読んだのは、ついこの間だったのにな。




ヨタにもいつかこういう日が来るんだ…


…ヤダなって、あの時の私は思ったんだ。




なのに、あっという間にヨタのその日は来てしまって、今、自分の目の前でそれは起きていて。



すごく悲しかった。



目の前でフラフラになってあちこちコツンコツンぶつかりながら歩くヨタの姿が、悲しくて、ツラくて。



そして、すぐそこに待ち受けている『死』を実感した。







そしてヨタは転ぶようになった。



もう腰が全く立たないみたいだった。



コテンコテンと何度も転んだ。





それでもヨタは一生懸命歩いた。



もういいから、ヨタ、じっとしてな、と言いいながら、私もヨタを支えて歩いた。




この時に、私の大量の涙がこぼれたのか、ヨタのオシッコが出たのか分からなかったけど、はいてたスカートの裾が濡れた。


一応バスタオルを手に、ヨタが横たわる度にヨタの下半身に敷いてあげた。



ヨタが不快にならないように。


最期までプライドを保ってあげたかった。







ヨタはもう、殆ど前脚だけの力で気力だけで歩いてるように見えた。




たまらずヨタを抱き上げて、しっかり抱きしめた。



私の顎の下に、横向きに抱いたヨタのうなじ辺りがあって、いつもそうするように、顎でヨタのうなじを挟んだ。



何度も何度も。



忘れないように何度も。






歩くのをやめようとしないヨタは一度、足腰が弱り始めた頃に、ソファーに上がる時の為に置いてあげてた階段代わりの小さな椅子を、ソファーに乗ろうとした時に踏み外して転がり落ちそうになった。


20センチくらいの高さしかない、あんなに低い椅子から。


それでもヨタは落ちまいとグッと踏ん張って前脚の爪をソファーに引っかけて耐えた。


それが何かとても悲しかったんだ。




だってヨタは絶対に諦めてなかったから。





一生懸命に歩いて、よじ登って。


ぶつかっても、転んでも。



負けじと何度も何度も立ち上がって。




ヨタは一生懸命に生きてた。




頑張ってた。






でもそれを見ているしか出来ないのは本当に苦しかった。



そんなヨタの姿なんて見ていられなかった。










そして、ヨタがそういう状態になっても、母親は自分の事をやり続けていた。



忙しくてごめんね、とは言っていたし、時々ヨタの様子を見に来てはいたけど、何でこんな時にそっちを優先できるのか、私にはよく分からなかった。



年末だったから仕方なかったのかもしれないけど。




年賀状を書いたり、近所の病気で一人暮らしの奥さんの為に料理を作ったり。




もちろん、必要なのは分かる。


でも、それらには『次』がある。







ヨタはもう最期だったのに。




家族みんなで看取ったトットの時みたいに、うちに二人いるなら二人で側についててあげたかった。



こういう部分が、きっと実家の猫と、私の猫の違いなんだと思った。



当たり前だ。



別居ばかりで、あっちの家と実家を何度も行ったり来たり、ヨタも一緒に出たり入ったりを繰り返して。



私のせいで、ヨタはきっと実家の猫になれなかったんだ。










ヨタは何度も転びながら家中歩き回って。




最期に台所に行ったんだ。





母親が料理を続けていた台所に。




きっとヨタはヨタなりに、母親にもお別れが言いたかったんだと思う。



そして、食いしん坊だったヨタにとって台所は、餌を食べたり、時にはつまみ食いしたり。



美味しいものをいっぱい食べられた、一番好きな、幸せな場所だったのかもしれないな。




一度水の器のあるところへ行ったのを見て、母親は


水が飲みたいのかな


って、水をすくってヨタの口元に持って行った。



だけどヨタはそれを拒んでまたフラフラと歩いた。



そして台所の、いつも父親が座っていた椅子と、自分のお皿のあった場所(ヨタの定位置だったところ)のちょうど中間くらいの位置で横になった。



横になったというより、倒れたって感じだった。



転んでばかりだったヨタはもう、自力では歩けないみたいだった。




からだの右側を下にして。



ずっと口呼吸をしたままで、目を見開いたままで。




それでも何度も起き上がろうと頭をもたげて。



そして起き上がる事が出来ずに頭をゴンッと床に打ち付けた。



何度も何度も。



ゴンッという音が痛そうで、私は左手をヨタの頭と床の間に置いた。




母親は水を手に付けて、ヨタの口元にまた持って行った。



そしてヨタの口元にチョンチョンと付けた。



その途端、ヨタは意地でも飲むまいとしているかのように、口を閉じたんだ。



まるで怒ってるみたいだった。


噛み付こうとしているようにも見えた。



カツンッカツンッと音を立てて何度も口を閉じて。




母親は


余計な事するな!ってヨタ怒ってるね…


って言って水をやるのを諦めた。







そんな状態でもヨタはずっと猫握手をしてくれた。




ヨタの細くなった前脚も何度も何度もギュッと握った。



ヨタの頭もからだも、尻尾まで何度も撫でた。



ヨタに、この感覚を覚えてて欲しかった。


そして、私も覚えておきたかった。






息をする度、ヨタの吐く息に床がフッフッと白く曇っていたのをよく覚えてる。





ヨタはどこに行きたかったんだろう。




私の椅子にも上りたかったのかな。



ヨタはコマに追いかけられる時には私の椅子に避難してた。



夜をその椅子で過ごしていた事もよくあった。



夕飯の支度をしてる間もいつもその椅子でお座りしてた。




もしかしたら、あれだけ寝床にしてたところをまわっていたんだから、椅子にも乗りたかったのかもな。










何度も何度も頭をもたげて起き上がろうとして、苦しそうに口呼吸をしていたヨタ。






急に仰向けのような姿勢になって、前脚で空をかくような仕草をした。



何?どうした?


と、その前脚に右手を差し伸べた。



そうしたらヨタは私の右手を、両手でギュッと抱き締めたんだ。



本当にギュッと。



仰向けのまま、私の右手を抱き締めた。




寝ている猫が、伸びをする時にそうするように。



私の右手を抱えて手をばってんにしてギューッと抱き締めた。




その仕草に胸が締め付けられた。








もう何て声をかけたか覚えてない。





ただ、ギューッと私を抱き締めたヨタは、もう頭をもたげようとしなかった。




呼吸も止まってた。




お腹に手をあてたら、心臓も止まってた。




ヨタの尻尾だけが、それまでと違って怒ってるみたいにブワッと膨らんでいた。



オシッコも漏らした。







…ヨタの心臓が止まった…



と呟いたら、母親が



悲鳴みたいな声を出して。



ヨタを呼びながらヨタに駆け寄った。








ヨタを撫でたら、顎が何度かカクカクと動いた。





でも、どんなに撫でても名前を呼んでも。



もうヨタは二度と動かなかった。





身体もあっという間に冷たく固くなった。



見開いた目も、何度も閉じさせようとしたけど、全く動かなかった。



本当にあっという間だった。







ヨタはあっという間に固くなっちゃった。




ヨタが死んじゃった。




あんなに可愛い可愛いヨタが、死んじゃったんだ。



18年間、ずっと一緒だったヨタが。



いつも私の後をついて歩いてたヨタが。



まるでストーカーみたいだった可愛い可愛いヨタが。





逝ってしまった。







私はその瞬間をひとりで看取った。

これは3月の下旬にアップしたもの。









それからヨタはまたいつものソファーの上で横になってて。



私は一度、ヨタがオシッコを洩らしたりしてないか、もし洩らしちゃってたら気にならないようにタオルを敷いてあげようって思って、ヨタの尻尾を持ち上げて確認してみた。


ヨタって全く粗相をしないお利口な猫だったから、もし洩らしたらプライドが傷付く気がしたんだ。



前に飼ってた猫(トットっていってこの猫も18歳だった)を看取った時に、最期に倒れた時洩らしちゃってたのを思い出したからだったんだけど。


でも、尻尾を持ち上げたらヨタ、『何すんだよ!?』って怒った顔して私を見たんだ。



それがすごくヨタらしくてちょっと笑ってしまって。






でも、その時に見たヨタのあそこは、やっぱりいつもとは何かが違ってた。



うまく言えないけど、オシッコのとこもお尻の穴も、本当に全てがキューッと縮んで小さくなって毛の中に隠れて埋まっちゃってるみたいな。



それを見た時、ショックだったし胸が痛んだ。



動物はいつもお尻の穴丸出しでそれが当たり前だけど。



晩年のヨタは尻尾がいつも下がってたし、だからそんな部分をまじまじと見たのも、ものすごく久し振りだった。



そして、そんな状態を見られたくなかったろうなって、ごめんって思った。



この事も後悔しているひとつで、なかなか書けなかった。










ヨタはソファーにいても落ち着かなくて、そこで何度も座り直してぐるぐるまわってた。



そこにはヨタ用のあんかが置いてあったんだけど、そのあんかの膨らみのせいで横になりにくいように見えたからあんかを退けた。





ずっと目を見開いたまま、本当に何度も何度もヨタは座り直してて、そんなヨタの姿を見てたら涙がボロボロこぼれた。







明らかにヨタの行動はおかしくて。



何をどうしてもヨタは落ち着けないみたいで、もしかしたらもうこの辺りから苦しかったのかも知れない。






私は見ている事しか出来ないのが本当にツラかった。




泣きながらヨタを見ていた私の隣には、あっという間に涙と鼻水でぐしょぐしょになったティッシュの山が出来た。







でもそんな状態であっても、ヨタは猫握手をギュッと返してくれて、呼ぶとちゃんと尻尾で返事をしてくれた。



不機嫌な時の尻尾の動かし方ではなくて、いつもの動かし方で返事をしてくれた。




…ヨタの最期の声を聞いたのって、いつだったんだろうな。



この日にヨタは鳴いたっけ。




思い出せない。











この辺りから本当にキツイ。




これを書いてても涙が止まらず、何度も休憩しながら書いてる。























ヨタはそれからもずっとうちの中を歩き回った。



3~4回えづいて苦しそうだった。


もう胃がからっぽだったろうし、出るものもなかったんだと思う。






一度、徘徊中、お風呂場から戻ろうとした時に、側で座って様子を見ていた私の左足の腿にヨタはぴたっとおでこをくっつけてしばらくじーっとしてた。




たまらずヨタを抱っこして、そのまま寒い洗面所でうずくまってた。



もう私はずっと泣きっぱなしだった。



洗面所のタオルかけにあったタオルを取って口元に当てて声を出さないようにして泣いた。





ヨタは私の腕の中で、気分のいい時にそうするように、抱っこしていた私の腕の上に両方の前脚をグーンと伸ばして体を預けてた。



やっと落ち着いたみたいに見えてホッとした。





なのに、母親に


そんな寒いとこにいないでこっちに来れば?


って声をかけられてしまって。



それがきっかけでまたヨタは落ち着かずに動き出してしまった。




あの時あのままあの場所で静かにじっとしてあげられてたら、ヨタは落ち着けたのかもしれなかったのにな…。













ヨタはそれからトイレに向かった。



うちの猫トイレは床よりも一段低い位置に設置してあったから、転ばないかと心配だった。






ヨタは転ばずにいつものようにちゃんと猫トイレに入って。



そして、そこで横になったんだ。




倒れたんではなくて、まるで、よっこらせ…って言ってるみたいに、諦めるようにゆっくりと横になった。




私は一瞬、


もうヨタは朦朧としていて、場所もよく分からなくなっちゃったのかな


ここで寝ようとしてるのかな


って思った。






でも。





音が聞こえてきたんだ。



聞き覚えのある音。





シーーーーーーッってオシッコをする音。




横になってるヨタの尻尾をそっと持ち上げてみたら、ちゃんとオシッコをしてて砂がビシャビシャと濡れているところだった。












ヨタは横になったままでオシッコをした。



ヨタがオシッコをする場所は猫トイレの中でも位置が決まってたのに。



いつもとは全く違う位置に、ヨタはオシッコをした。






そして、それが終わったらまたむっくり起き上がった。






エライね!!


ヨタ、エライ!!!


って泣きながらヨタを褒めて。






そしてこの時に私は、


あぁ、多分ヨタは今日死んじゃうんだな


って分かったんだ。





そんなの信じたくなかったし、ヨタと出会って以来ずうっっっと恐怖に感じていた事だったのに。




『その時』がもうすぐそこまで迫ってるんだと分かった。




私は覚悟しなきゃならなかった。





ずっとずっと私だけを好きでいてくれたヨタが。








もうすぐ死ぬ。

12月25日



いよいよこの日のことを記さなきゃならなくなった。



ツラくてイヤだけど頑張って思い出して記そうと思う。









薬を飲んで眠ったから、夜中にヨタがどうやって過ごしたのか全く分からない。


ただ分かってるのは、あんな時まで薬を飲んだ私のクソさ加減だ。




そして、私のクソっぷりはまだ続くんだ。








朝、布団の中で覚醒しかけた時、私は『目を覚ましたくない』って思ってグズグズしてた。



あの人が死んでからの数年間、朝はいつもそうだった。



そして夫からの申し立てがあってからもそうなってしまってた。






あんな現実に戻りたくない、調停が怖い、攻撃されるのが怖い、不利になったらどうしよう、慰謝料なんて支払えない、そんなお金ない、どうしよう、どうしよう…。


そういう事で頭がいっぱいになって布団の中で色んな事を考えてしまってた。




夜眠ろうと目を閉じてもそんな状態で。


だから毎晩薬を飲んで眠ってた。



ずっとそんな状態だったんだ。





この日も私は覚醒しかけた頭でそう考えていて。


そしてハッとヨタの事を思い出したんだ。




もしかしたら今日ヨタが死ぬかも知れないんだ、今にも母親が部屋に駆け込んで来て、ヨタが死んじゃったよ!!って叫ぶかも知れない!


怖い、イヤだ、どうしよう、どうしよう


って。






しばらくの間グルグル考えて布団の中で縮こまってて。


私は起きる事が出来ずにいた。




今考えれば、何て無駄なバカな時間だったんだって、その布団の中の自分を殴りたい気持ちだけど。


あれもきっと、あの人が死んだ時と同じで。


鬱状態の症状で仕方なかったのかも知れない。



私はのんびり寝ていたワケじゃない。



布団の中で頭を抱えて苦しんでたんだ。














しばらくそうして、イヤだイヤだ、と考えていて。



そしてまたハッと気が付いた。




ここでしっかり覚醒したんだと思う。








ヨタが待ってる!!!って気付いたんだ。




ヨタが呼んでるんじゃん!!!って。




私は何やってたんだ!!!!って。





この瞬間、本当に弾かれたように飛び起きて、慌てて下に降りた。









居間に入ったら、すぐにヨタが起き上がった。



あーーーーも~~やっと来た~~


待ちくたびれたよーーー


って言ってるみたいだった。



この時、本当にヨタにそう言われた気がしたんだ。





でもヨタがどこにいたか思い出せない。



この日私はお腹を酷く下してて、何度も何度も二階のトイレに行ったから。



だから何度も居間に入ってて、その度に色んな場所で私を見て起き上がったヨタの姿が浮かんでしまうんだ。




今もあの時のヨタの姿がいくつも浮かんでしまう。


私を見て起き上がる沢山のヨタ。



この日、何でもっと早く起きて側に着いててあげなかったのか、本当に自分が情けないし自分が許せない。








居間に入ってすぐにヨタの側に行って頭を撫でた。


あぁ、だからヨタはいつものソファーにいたのかな。



多分そうだ。




台所に行って、母親に餌を食べたか聞いたら


やっぱり食べない


今日はもう水分も取ろうとしないよ


と言われた。




私は茫然としながら自分の椅子に座って、ソファーで横になってるヨタを見た。



どういう事なのか頭が理解出来なかった。



でも、水分も取らなくなるってすごくマズイ状態なんじゃないかって思った。




そして母親から、ヨタは朝から落ち着かずにうちの中をあちこち歩き回ってると言われた。



確かにヨタは落ち着かず、ひとところにいようとしなかった。



私はそんなヨタを見ながら、とにかく何か食べておかなきゃって思って、冷蔵庫からいつものバゲットを出して、パンナイフで2枚切ってあまり美味しくないジャムを塗ってボソボソ食べた。


夫との事でずっと食欲がなくて、ムリヤリ食べた感じだった。



この時のんきに食事をした事が許せなくて、私はこの時以来バゲットもジャムも口に出来なくなってしまった。











ヨタは終始ウロウロウロウロとうち中を歩き回ってた。



歩き回っては寝そべってみて、そしてまた立ち上がって歩き回っては横になって…という行動を延々繰り返してた。



分かったのは、いつもヨタが寝床にしていた場所を巡回してるって事だった。




居間のソファー、テレビの脇、こたつ、絨毯の上、お風呂場のタイルの上、寝室、台所…。



それらを順番にグルグル回っていた。



本当に身の置き所がなくて落ち着かなくて、どこか落ち着ける場所がないか探ってるように見えた。



私はそんなヨタに付いて回ってるような感じだった。






そして、母親にヨタを見ててと頼んで、一度着替える為に二階に行った。



着替えてから、ふいにブログにヨタの事を書いておこうって思ってアメブロにアップした。







この時に、ヨタの命がもうすぐ尽きると思うって書いたんだけど、このもうすぐが数時間後という自覚はなかった。



ヨタはまだしっかり歩けていたし大丈夫だったから。




今日、例え飲まず食わずでも明日また輸液をするんだから、まだ数日もちこたえるだろうと思ってた。



だから、最期の数日の記録を残しておきたかったんだ。








何故ここ(メインのブログ)ではなくアメブロだったのかといえば、それはただひとつ。



見てくれるどこかの誰かが、もしかしたらヨタを応援してくれるかもしれない、というその気持ちからだったんだ。


ここはパスかけてあって、限られた人しか見られないようになってるし。



アメブロに公開したら、猫好きな誰かの目にとまって、そしてヨタガンバレ!って思ってもらえるかもって。



そんな風に思ったからだった。







その数時間後にヨタが逝ってしまうと分かっていたら、そんなブログのアップなんてしなかった。




そんなバカげた時間の使い方、するワケがなかった。










居間に戻ったら、また記憶の中の色んなヨタが私を見て立ち上がってしまうんだけど、確かお風呂場にヨタはいたんだ。


お風呂場で私に気付いて起き上がって側に来た。






ヨタはあんな真冬の寒いお風呂場で、氷みたいに冷たいタイルの上で寝そべっていて。



その場所は夏の暑い時期にヨタが寝床にしていた場所だった。


夏場はきっと冷たいタイルが心地良かったんだと思うけど、何でこんな寒い季節にそんな冷たい場所で寝そべるのか意味が分からなかった。




ずっと前に老猫の死について書いてあったものの中に、老猫は死が近付くと冷たい場所で寝るようになる(例えばお風呂場のタイルの上など)ってあったのを思い出したり。


前に自分がみた、ヨタがお風呂場で死ぬ夢の事なんかを思い出したりして。



お風呂場で横になるヨタがそのまま死んじゃうみたいでとてもイヤだった。



だけどやっぱり。




ヨタがそこにいたいのならいさせてあげようと思って見守った。





午前中はずっとそんな感じでウロウロと歩き回るヨタを見てる事しか出来なかった。














そしてお昼くらいに母親が、古くなっちゃうから食べちゃって、とレトルトのピザを焼いた。


食べたくなかったけどこれも無理して半分食べた。



何であんなに『食べておかなきゃ』という意識が強かったのかよく分からないけど、とにかくその時はそう感じてたんだ。



ヨタはテーブルの下のホットカーペット(二階で使ってるのと同じもの)で横になったり、ソファーの下に潜り込んだり、相変わらずウロウロと徘徊を続けてた。







確かこの時に、私の隣で横たわってたヨタとの写真を撮ったんだと思う。



ヨタは目を閉じることが出来なくなってるみたいだった。



どんなに声をかけても触っても、目を細めることをしなくなってた。



頭を撫でても『んー?』って鳴くこともなかった。




ただ尻尾を動かして一生懸命応えようとしてくれてるのは分かった。






ヨタは今日逝ってしまうんじゃないかって不安になった。





だから、今撮っておかなきゃって感じたんだ。



だからその日にも何度もヨタと交わしていた猫握手の写真を撮った。



ヨタとの記憶を残しておかなきゃ、って変に焦りがあった。



横たわるヨタの写真も撮ったけど、目を見開いた顔を写されるのはイヤだろうと思って、背中側から写真を撮った。


ヨタの顔も撮りたかったけど、やっぱり背中側からにして目が写らないようにした。



ヨタは携帯で写真を撮られる事があまり好きではなかったと思う。



だからごめんねって思いながら撮った。



呼ぶと動かし続けてくれた尻尾の写真も撮った。



先が少ーし曲がった可愛くて大好きだったヨタの尻尾。





写真はその4枚だけにした。