由良 | ゆばー*短歌* ≪Ecoute! Ecoute! C'est Ondine≫

由良

由良の門を渡る舟人かぢを絶へ行くへも知らぬ恋の道かな  曽根好忠
$ゆばー*短歌* ≪Ecoute! Ecoute!  C'est Ondine≫


お昼ごはんに誘われて、電車で二時間近くかけて和歌山県の「加太」というところへ行ってきました。
わたし、地名を聞いてもどこか分かりませんでした。

誘ってくれたフランス人カップルが偶然見つけたという食堂で、
シンプルな素材と楽しいアイデアが詰まったお料理を堪能しました。
お料理がおもしろく、出汁や使われている食材を説明してくれます。
鯛のお刺身は他で食べるのが同じ魚とは思えない程美味しいです。美味しすぎてびっくりするの。
作っている人(元気で優しい女の人)のエネルギーにわたしは圧倒されてしまいました。

海辺の暖房のない食堂で、席に着いたら毛布にくるんだ湯たんぽを貸してくれるのですが、
それが膝の上でぽかぽかずっとあたたかく、雰囲気も自然に生き生きとしていて、
京都からわざわざ人が時間をかけて来る理由が分かります。
土日は大賑わいです(予約した方がよいです)。淡島神社の入り口に三軒並んでいる真ん中の店です。
淡島神社も独特で、女性の強さがあふれる土地なのだと感じました。雛流しの土地でもあります。

満幸商店
和歌山市加太(淡島神社境内内)
tel (073)459-0328

加太の駅から無料のシャトルバスで行ける休暇村では、淡路島から四国まで見えます。
上の写真は、そこから少し下ったところにある基地(戦時中の本物)の辺りで撮りました。
淡路島と手前の島との間に由良の瀬戸があるのです。百人一首にある歌が何度も口からこぼれました。

海から、人から、森から、力とわくわくする感じをたくさんもらいました。
女の人の原動力はもしかしたら、このわくわくするからやってみるってことかも。料理も然り。
誘ってくれたカップルは、わたしたちもこうなりたいと思える、嘘がないものをシンプルに楽む人たちです。
日本でがっかりしたこともあるだろうけれど、好きな物をいくつかちゃんと見つけられるのに憧れます。
なんて楽しい日曜日だったのでしょう!

柚 葉