終業式の怪。 | 明け行く空に…。  ~ひねもすひとり?~

終業式の怪。

夏休みを筆頭に、冬休みや春休みなんて長ーいお休みをゲットできるのは子供の特権、正に特化された権利である。
少年から大人へ変わろうとする高校生あたりがどんなに泣こうが喚こうが、そんな特権を当たり前のようにゲットしてあたかもごく自然の行為として休日を消化してしまっているならば、所詮お前らは子供であってそれ以上では無いのだよ。

どんなにチ●ゲボーボーだって主張したところで、小児科はお前らを快く受け入れてくれるってことだ…。

ボーボーでも子供は子供なんですな。



まぁいいや。


夏休みや冬休み突入の前日、学校ではいわゆる終業式って言われるこの日は特別だった。
ガキの頃のオレは、明日から始まる長期休暇を目前に控え、そのうれしさに心打ち震えたことを今でも鮮明に覚えている。
ここぞとばかりに宿題をてんこ盛りに課す腐れ教師共の濁った瞳なんぞ眼中には無く、とにかく明日からの自由な時間をいかにして謳歌するか、友人たちとのそんな作戦会議に心振るわせることで大忙しだった。
オレにとって終業式の日とはそんな日であったのだ。


クソみたいな、ホントどうでもいい校長の話と、担任からご丁寧に手渡しで渡される目も当てられない腐った通信簿、そんな通過儀礼を終えると後は子供達の独壇場と化す季節休暇。
オレにはそんな通過儀礼の中に、どうしても納得がいかない事が一つだけあった。
それは休暇に突入する前に、学校のロッカーに詰め込まれた書道の道具だとかアルトリコーダーだとか、はたまた図工に必要な諸道具なんかを自宅に持ち帰らなければならないって事だった。
若き日のユキオ少年は、なぜそんな無駄なことをせねばならんのかと頭を悩ませていたのだ。


先生!今回の夏休みの課題には書道とか笛の練習なんてありませんよね?なぜ道具を持ち帰らなければならないのですか?


こんな質問をしてよく教師を困らせたモノだった。
まぁね、今になって考えてみれば何となく分かるんですよ。
学校側としては長期休暇中に、生徒が置いていったモノに何かあったら責任が取れないって事なんでしょう。

課題ではないにしろ、自主的に勉強しろって事なんでしょう。
長期休暇中に好きな子の笛をくわえにやってくる、バカなガキがいたら責任が取れなって事なんでしょう…。

とにかくオレは休暇中に家に持ち帰っても絶対に使用する事など無い諸道具を、アホみたいにぶら下げて家路につくことに対して非常に抵抗があり、確か小学5年の時の夏休みだったと記憶しているんですが、教師の指示を無視してそれらを教室に置き去りにして帰ったことがあるんですよ。
そうしましたら、夏休みを最大限に謳歌しておりましたオレ様の自宅へ腐れ教師から電話がありまして



教室に置いて帰った道具を明日取りに来なさい!



なんて言いやがったんですよね。
もうね、オレに言わせればアホかって話ですよ。
今更なんだよ。どうせ使わないモンばかりだし、2学期が始まったらまた持って行くモンだしさぁ、どーでもいいじゃねーかって思ったんですが、そのとき電話を取ったのが親父だったってのが不幸中の不幸、そりゃもう地獄ってモンで、コッチの主張など聞くまでもなくボッコボコにされる始末ですよ。
で、夏休み中だってのに、翌日教室まで赴いて使いもしない書道の道具とアルトリコーダーと絵の具セットを自宅まで運んだワケです。
ついでに当時大好きだったヨシコちゃんが置き忘れていった笛をさくっとひと舐めしときましたけどね。


結局当時のオレがそんな教訓とも言える状況から学んだことは、教師の指示ってのは絶対であり、言われたことは確実に守らなければならない事であって、それに従わなければ休暇中であろうがあんであろうが修正(グーでパンチ)されちゃうって事でありました。




あれから時は流れ、気がつけばこんなオレも人の親となり、名実共に大人になった。
大人、特にサラリーマンってのは損な生き物であって、子供の時のような長期的な季節休暇なんてモノはあるはずもなく、いったい何を楽しみに生きていけば良いのだろうか…ってな具合であることは言うまでも無いことであります・・・。
そんな大人にとって唯一と言っても良い長期休暇ってのが正にゴールデンウィークでありまして、こんなオレにもそんなゴールデンな一時がやって来たワケですよ。



ユキオ君、僕はもしかすると休み中に出勤するかも知れないので、お願いしていた資料を君が休みに入る前に完成させて机の上に置いといてくれないか?



なんて上司からの指示があったワケです。
まぁね、オレも大人なモンですから、メンドクセーなんて心でシャウトしながらもそんな指示を笑顔で受けたワケですよ。
どーせお前、連休中に出勤なんてしねーんだろ?って思いつつも笑顔で対応したワケですよ。
でね、普段からやる気ないオーラ全開の上司の命令だったモンですから、連休突入前日のオレはそんな命令はスルーで堂々とお休み突入したワケですよ。
そうしましたらゴールデンウィーク後半の先日、まんまと上司から自宅に電話がありまして



頼んでおいた資料は何処にあるのかな?



なんて言われる始末ですよ。
まぁね、オレも大人なモンですから言い訳なんてしませんよ。
やってないモンはやってないワケですから正直に やってません! って応えましたよ。
そうしましたらウンコ上司のヤローは



そうなんだ。んじゃ今から出勤してやってくれるかな?



なんて言うんですよね。
オレは鬼だと思ったね。
今日ばかりは上司のヤローを鬼だと思ったね。
午後から家族で動物園に行く予定だったのに、そんなオレを出勤しなきゃ行けない状況に追い込んだ上司を鬼だと思ったね。
本当は上司の指示ってのは絶対であり、言われたことは確実に守らなければならない事であるにも関わらずスルーしたオレが全面的に悪いんだけど、今日ばかりはヤツを鬼だと思ったね。


結局、今日は何が言いたいかってことだけど、オレの思考はガキの頃から何ら変わっていなかったってことと、今後更なる修正(グーでパンチ)が必要だって事ですかね。


あぁ誰か(できればブライト艦長)、こんなオレに修正を加えてください…。




以上。



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