決意を揺るがすセクシー下着。 | 明け行く空に…。  ~ひねもすひとり?~

決意を揺るがすセクシー下着。

ここ最近のオレってば、著しく活字離れしているとの自覚症状がある。
ちょっと前までなら、往復80分間の通勤電車内では小説だったりエッセイだったり、とにかく活字の世界を彷徨い歩くことを日課としていたのに、今では車窓の中を流れ行く、見慣れた風景をぼけぇーっと眺めるだけの毎日となっている。


年を重ねていくと、若い頃のように手当たりしだいに目に付いた作品を読みまくるって芸当はできなくなってしまい、余っ程興味を持って購入したものでない限り、1冊の途中で力尽き放置してしまうという現象が頻発するようになってしまう。
とにかく最近は活字を目で追うって行為がひどく億劫なのだ。
そのうちまた、以前のようにすぅっと文字群が頭の中に滑り込んで来る日がくるだろう。

きっと、オレの少なくて、まるで軽石のようで変に意固地な脳みそが目覚める日がやってくるだろうと、人ごとのように楽観していたんですが、そうも行かない現状にぶち当たるようになってきた。

会議資料や企画書なんかを作成する際、オレは必要以上に説明文を長く書くようにしている。
その方が上司の読む気を削ぎ易く、楽勝でGo サインが出やすいからだ。
ところがね、このところ何だかよく分からないですけど、文章をうまく綴れなくなってきていることに気が付いた。
これはね、活字離れが原因であってそれ以外の何物でもないなと思うワケですよ。
でね、そんな状況を打破しようと、昨日の仕事帰り久々に本屋に立ち寄り一冊の文庫本を購入したんです。
そんでこれからはまた通勤電車に揺られる時間は読書の時間にしようと、ひとり心に誓ったワケですよ。

そして神にも誓ったんです。


で、今日の朝電車に乗り込むと早速昨日購入した小説を開いて活字と戯れようとしてたんです。

1ページ、2ページと順調に捲りながら、オレは徐々に話の中にのめり込みつつあった。

そんな矢先、オレの視界に活字をはね除けて割り込んできた人物がいた。

それは目の前の席に座っている40歳くらいの一人の女性でした。

ただそこに座っているだけならば、今日からまた読書生活を始めようとするオレの決意を揺るがす事など無かったのですが、彼女の読んでいる雑誌にオレは激しく興味をそそられてしまったのだ。


彼女の読んでいた雑誌、それは懸賞関係のモノだったのですが、それを食い入る様に読んでいた彼女の動きがいけない。

アッチコッチのページを何度も行ったり来たりしながら、何やら悩んでいる様子。

あぁ、どの懸賞に応募するのか迷ってんだろうなとオレは勝手に解釈して、さぁ今度こそ本読むぞーって仕切り直しの体制に入った。

そうしたら彼女、今度はカバンの中から官製ハガキの束を取りだして、せっせと宛先やら何やらを書き始めるではありませんか。

こうなるとオレの興味は一体何が当たる懸賞にハガキだそうとしてるんだろこの女性は?ってことになる。

悪いとは思いながらも、彼女の手元を上から覗かせてもらった。


そしてオレの目は釘付けになった。

目に飛び込んできた言葉、それは



2番、セクシーランジェリーセット希望!



もうね、どんだけセクシーなのかって話ですよ。

およそ色気とはほど遠い感じのこの女性が、何故に2番を選択するのかって話ですよ。

きっと、目指せ!脱いだら凄いいい女!?ってことなんですよ。


彼女の手は結局終点まで休むことなくハガキを書き続けておりました。

その数30分で22枚でしたよ。

オレは芸術的早さでハガキを完成させていった彼女の筆裁きに目を奪われっぱなしでしたよ。



結局有意義な朝の電車での時間を費やした彼女に対して、オレってば決意したはずの読書は全く手つかずとなってしまいました。



よし、神様読書は明日からって事にします。


そして、ついでに神様、どうか彼女にセクシーランジェリーセットを当選させてあげてくださいね。




以上。



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