美の追求を喰らう。 | 明け行く空に…。  ~ひねもすひとり?~

美の追求を喰らう。

朝から机の上に積み重ねられ、その頂上は霞んで見えないほど山盛りの仕事と、鳴りやまぬ地獄の底から響きわたる断末魔の叫びを彷彿させるような電話の対応に追われ、就業の頃にはヘトヘトのとほほ…状態で事務所を後にした本日。

いつもなら徒歩15分ほどの駅までの帰り道。
今日はとほほ…で30分ほどの長い道のりとなった。

とほほ…。



命からがらと言うに相応しい状態で駅についたオレは、今日も条件反射のようにそば屋(standing)へ向かおうとする。 その姿たるや正にパブロフ(not 頭痛薬)。
そりゃもう、それほど腹も減って無くても向かう。
慣習ってのは恐ろしいものです。
だが、こう毎日そばばかり啜っていたのでは、さすがの我が腐れストマックの野郎といえどもご機嫌を損ね悲鳴をあげる始末ってことで、気まぐれオレンジ☆ロード・ピックのまどかよろしくってな具合で、珍しくラーメン屋なんぞに足を向けてみた。
そう、ジャッキーチェンが来店したことでお馴染の、仙台じゃ超が付くほどに有名なカウンターだけのあの店に・・・。
※仙台在住だけど知らないよ?的ニュアンスの発言は不要です。




早速店内に入ると、既に夕飯時を大きく過ぎていたこともあり、店内は極めて閑散としている。そんな中でコの字型のカウンターに座る先客はふたり。
仕事帰りっぽいおっさんと、これまた仕事帰り風のOLっぽいお姉さん。
特筆すべきは、向かい側に座るお姉さんが極めてオレ好みの清楚なオーラ満点だったということ。
そりゃもう妖艶なレインボーオーラ大放出。
こんな場末の飲食店で、彼女のような素敵な女性を見かけることが出来るなんて、今日という日は実は凄く良い日だったのかもしれないと、ちょっとだけ嬉しい気持ちがこみ上げてきた。


そうしていると、おっさんの所へねぎ味噌ラーメンが届く。
そしてオレはいろいろと迷った挙句、焼そばを注文することにした。
程なくして、今度はお姉さんの所へチャーハンが届く。
あらっ!お上品なチョイスですこと(not ojousama)。
この店のチャーハンは程よい塩味が効いた極めて品のよい逸品なのだ。
さすがはオレ好みのお姉さんだ!と、オレは小さくうなずいた。
うんうん。



五目ラーメンお待ち!



威勢のよいオヤジの声が店内に響く。
あれ?まだ注文の品が届いていないのはオレだけのはずだが?
オレは五目ラーメンの行方を気にしていると、あろうことかそのラーメンはお姉さんの前に、目の前の厨房からカウンターを飛び越えて来て見事に着地した。
コレで姉さんの目前に並んだ品はラーメンとチャーハン、共に一人前です。
半チャンじゃないですからね。

まぁここまではいいんですよ。
姉さん相当腹ぺこだったんだろうと言うことで、オレの脳みそ内は強制的に整理が付けられましたから。



はい!焼そばお待ち!!



そうこうしていると、オレの注文した焼そばも出来上がったみたいだ。
オレはここで焼そばもネーさんの前に置かれたら相当面白いのになぁと思いつつ、半笑いでカウンターの中から手渡される焼そばを受け取ろうとして腰を浮かせると、そのタイミングを図ったかのように姉さんの前に焼そばが置かれた。

オレは三流コント並みのオーバーアクションと共に椅子からズッコケた…。
ドリフ万歳!とっくに8時は過ぎちゃってるよーってな具合でズッコケた。
そしてその時、姉さんはこちらを見ながらウフッと品良く笑った。
良く見ると、口からナルトを半分出しながら品良く笑った。


何なんだ、コイツは…。
大食いにも限度ってもんがあるでしょが。



はい!今度こそお兄さんの焼そばお待ち!



余計なオヤジの台詞と共に手渡された焼そば。
姉さんはそれを見てまた笑った。
口から半分紅しょうがを出しながら品良く笑った…。


でも姉さん、それはそれで可愛いんだけど、紅しょうがの使い方はちょっと違いますよ。
紅しょうがってのはさ、極めて薄い股上から見え隠れするケツの割れ目の隙間 に納めるためにある食物ですから!?


そしてオレは可愛く微笑みながら鬼神のごとく飯を喰らう、清楚なお姉さんを眺めながら可もなく不可もない平凡な味の焼きそばを頬張った。
ケツの割れ目に紅しょうがを挟んでいるお姉さんの姿を想像しながら・・・。




以上。



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