渡辺君が行く。 | 明け行く空に…。  ~ひねもすひとり?~

渡辺君が行く。

先輩、あれを見てください!



電車に揺られながら覗き見防止シートという弾幕に守られ、エロサイトなんぞ閲覧しておると、渡辺君がなにやら有り得ないモノを発見したらしく、血相を変えてオレに言ってくる。

一体何事だ!と、偶然見つけた秀逸かつ悩ましい表情の裸婦女子満載サイトを、烈火のごとくお気に入りに追加し振り返ると、そこにはこんな季節には珍しい、生足剥き出しにしたAKB48の26番目の娘似で激烈に可愛い女子高生が、吊革につかまりながら立っている姿が見える。



そうじゃないですよ!もっと上、彼女の顔を見てください!



そう言われ改めて視線を彼女の可愛い顔に向けると、あろうことか彼女の顔には左の眉がないという悲劇が訪れていることが確認できた。
まぁアレだ、何らかの事情で右の眉だけなくなったのだろう。
右だけ書き忘れたとか、彼との淫らな行為の際に舐められたとか…うん、ストッキング無しな辺りから察するに、きっとこの線で間違いないだろう。
破りやがったな!羨ましいぞ、彼氏!
なんて想像していると渡辺君がささやく。



一体彼女の身に何があったんですかね?



気になったら末代まで…が信条の彼がうるさいので、オレは適当に受け流す。



あぁ、きっとお洒落泥棒にでもやられたんだろうよ…。



そうすると犯人はこの電車の中に!?



あぁ、そうだな…。




お嬢さん、淫らな事情があるのは分かりますが、出来ることなら乱れた後のメイク直しはきっちりお願いします。
でないと渡辺のヤツがうるさいので…。



そんな感じ。






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