2022年4月27日(水)~5月1日(日)、劇場「CBGKシブゲキ!!」(東京都渋谷区道玄坂)で、エイベックス所属のアイドルである宮﨑理奈(宮崎理奈)さんプロデュースによる演劇『オフィスの国のアリス』が開催されました。脚本・演出は久保田唱さん。

 

 ↓CBGKシブゲキ!!の入り口

 

 ↓『オフィスの国のアリス』のポスター2枚

 

 

 ↓スケジュール

 

 宮﨑さんが演劇プロデューサーを務められるのは3作目だそうです。私は1作目は拝見しましたが、どうやら2作目は見逃していたようです。
 実は私はエイベックス所属のアイドルの皆様のご公演は何回か拝見しておりまして、それらの公演のレポートを書こうと思ってはいるものの、大変お恥ずかしいことに私が無能なせいでブログの更新が追いつかなくなってしまっている状況でございます。エイベックス所属のアイドルの皆様の中には、ご公演の際に写真を撮らせてくださり、ブログに掲載してよいと許可を賜った方が宮﨑理奈さんともう1人いらっしゃいますので本来であれば時系列順に執筆すべきところでございますが、今回、『オフィスの国のアリス』の舞台上で、「ハッシュタグオフィスの国のアリス」を付けて感想を投稿してくれたら見に行きます!」と呼び掛けられましたので、順序が前後するものの『オフィスの国のアリス』のレポートを執筆する次第でございます。

 

 まず、『オフィスの国のアリス』の粗筋は以下の通り。

 主人公・華村美里(演=宮﨑理奈)は25歳。15歳から10年間、アイドルグループのメンバーとして活動していたが、25歳にしてアイドルを辞め、化粧品メーカーに就職した。会社では上司や先輩に怒られてばかり。美里にとって楽しい時間と言えば、夢の中で歌って踊っている時であったが・・・。

 

 実は、本公演の比較対象となる演劇が過去に存在しました。

 劇団アフリカ座が、今は無き劇場Geki地下Libertyで2016年5月25日~30日に開催した演劇『MASTER IDOL ~マスターアイドル~』(主演は当時現役のアイドルだった稲森美優さん、脚本は杉山夕さん、演出は中山浩さん。『アイドルマスター』ではない)であります。『マスターアイドル』のレポートもブログに書こうと思ってまだ書いてないんですが、両作品の共通点と相違をご説明致しますと、

・『オフィスの国のアリス』は元アイドルが現実から逃げたいと願い、医療現場を舞台としている作品

・『マスターアイドル』は休業中のアイドルが現実から逃げたいと願い、医療現場を舞台としている作品

でありまして、元アイドルか休業中のアイドルかという違いはありますが、主人公が現実から逃げたいと願い、医療現場を舞台としている点が共通しております。両作品の比較は後でもう1回言及すると思います。

 

 『オフィスの国のアリス』についてもう少し見てみますと、冒頭、美里が会社で上司や先輩に説教される場面があります。ここだけ見ると、

「何で俺はゴールデンウイークに1万1千円の入場料を払って会社で上司や先輩に説教される場面を見に来ているのか。」

という気分になってきますが、これについても後でもう1回言及します。

 因みにこの場面で、先輩が美里に

「10代から芸能活動してて社会人の常識を知らない。」

と叱責する場面があり、出演者がアイドルの皆様だからこそ出来た台詞ではありますが、「こんなこと言っちゃっていいのか!?」とびっくりしてしまいますな。

 その後、ストーリーの中では、美里は本当はアイドルを辞めたくなかったのはないかという説が浮上します。

 

 ここで、本篇中で特に面白かった場面をご紹介致します。それは、登場人物が指名されて一発芸をやらされるという無茶振りをされた挙句、スベったので退去を命じられるという場面なのですが、無茶振りされるところがアドリブっぽかったのです。登場人物がスベった後、退去を命じられるまで微妙な“間”があったのですが、微妙な“間”は、演劇のストーリー展開の一部と言うより、いわばノンフィクションと言うべき滑稽な雰囲気で、思わず笑ってしまいました。台本ではこの場面にどのような指示されているのか気になりますね。私は昔からずっと言ってるんですが、演劇の面白いところはフィクションの中にノンフィクションがあるところです。

 

 さて、本作は出演者がアイドルの皆様であり、プロデューサーがアイドルの宮﨑理奈さんでいらっしゃいますので、本篇中にちょくちょく歌や踊りが挿入されるのですが、後半はいよいよ本格的にアイドルの皆様が歌って踊るパートとなります。私は宮﨑理奈さんプロデュースによる演劇は1作目と3作目しか拝見しておりませんが、3作全部この構成であるようです。

 このパートの最後の曲では観客による写真撮影が許可され、出演者からは

「カメラマンの皆様の腕の見せ所です。可愛く撮ってください。」

と呼び掛けられましたので、私も公演中に撮影した写真を披露しようと思います。でも「ハッシュタグオフィスの国のアリス」で検索して他のお客様が投稿されているお写真を拝見したら、みんな凄い前の方の座席からアイドルの皆様をアップで撮っていらっしゃるので、当日券を購入して後ろの方の座席から撮影した私の出る幕はなさそうです。

 ↓私の座席が右の方だったので、舞台上手の方に立っていらっしゃった出演者の方ばっかり撮っておりました。左から順に片山陽加さん、溝手るかさん、古賀成美さん、荒井レイラさん、増井みおさん、涼本奈緒さんです。

 

 

 

 ↓センターでお歌いになる主人公の妹・華村侑季役の上西恵さん

 

 ↓センターでお歌いになる宮﨑理奈さん

 

 

 ↓全員でポーズを取った場面

 

 歌って踊るパートの後、本篇の方はラストシーンとなります。ここで再び『オフィスの国のアリス』『マスターアイドル』を比較致しますと、『マスターアイドル』では主人公がアイドルとして復帰して大団円となりますが、『オフィスの国のアリス』では主人公が会社に出社して大団円となります。先程、「何で俺はゴールデンウイークに1万1千円の入場料を払って会社で上司や先輩に説教される場面を見に来ているのか」などと申し上げましたが、会社で嫌な思いをしている観客に対し、背中を押すラストとなりました。

 ここで私が思い出すのは、アイドルグループを描いたアニメ映画『Tokyo 7th シスターズ -僕らは青空になる-』であります。劇中、「あなた達は何の為にアイドルをやっているのか?」と問われるのですが、その答えが「お客様に元気を与える為だ」というのです。これはいい場面なので感動しました。なるほど、アイドルとはお客様に元気を与えるご職業でいらっしゃるのですね。『オフィスの国のアリス』は、会社で嫌な思いをしている観客に対して出勤する元気を与える作品であり、宮﨑理奈さんはアイドルの何たるかを体現していると言えるでしょう。

 ただ欲を言うと、美里が会社に出社して終わりでしたので、もうちょっと会社の上司や先輩が美里を心配していたなり温かく見守っていたなりの台詞を入れるとか、或いは美里が上司や先輩を見返してやろうと決意する台詞を入れた方が、より、観客に元気を与えたり、観客の心が温まったのではないかと愚考致す次第です。

 ↓最後に、こちらはパンフレットと出演者の皆様のブロマイドです。