3月11日に寄せて | 寄り道だらけの日々〜いつも心に音楽を〜

寄り道だらけの日々〜いつも心に音楽を〜

心惹かれる音楽との出会い、日々のことなど
気ままに書いています。
クラシック音楽が大好き。
ピアニスト角野隼斗さんの
垣根を越えた類い稀な自由な音楽性に魅了させられています。



2011年 3月11日

東日本大震災


失われたたくさんの尊い命に

心から哀悼の気持ちを捧げます





何を言えばいいのか、伝えればいいのか、分かりません。

あの日のことはすぐに思い出せます。
この前の地震でも、思い出しました。
10年も経ってしまったのかという思いと、確かに経ったなという実感があります。
オリンピックというものを通して、フィギュアスケートというものを通して、被災地の皆さんとの交流を持てたことも、繋がりが持てたことも、笑顔や、葛藤や、苦しみを感じられたことも、心の中の宝物です。

何ができるんだろう、何をしたらいいんだろう、何が自分の役割なんだろう
そんなことを考えると胸が痛くなります。
皆さんの力にもなりたいですけれど、あの日から始まった悲しみの日々は、一生消えることはなく、どんな言葉を出していいのかわからなくなります。

でも、たくさん考えて気がついたことがあります。
この痛みも、たくさんの方々の中にある傷も、今も消えることない悲しみや苦しみも・・・
それがあるなら、なくなったものはないんだなと思いました。
痛みは、傷を教えてくれるもので、傷があるのは、あの日が在った証明なのだなと思います。
あの日以前の全てが、在ったことの証だと思います。

忘れないでほしいという声も、忘れたいと思う人も、いろんな人がいると思います。
僕は、忘れたくないですけれど、前を向いて歩いて、走ってきたと思っています。
それと同時に、僕にはなくなったものはないですが、後ろをたくさん振り返って、立ち止まってきたなとも思います。
立ち止まって、また痛みを感じて、苦しくなって、それでも日々を過ごしてきました。

最近は、あの日がなかったらとは思わないようになりました。それだけ、今までいろんなことを経験して、積み上げてこれたと思っています。そう考えると、あの日から、たくさんの時間が経ったのだなと、実感します。
こんな僕でもこうやって感じられるので、きっと皆さんは、想像を遥かに超えるほど、頑張ってきたのだと、頑張ったのだと思います。すごいなぁと、感動します。
数えきれない悲しみと苦しみを、乗り越えてこられたのだと思います。
幼稚な言葉でしか表現できないので、恥ずかしいのですが、本当にすごいなと思います。
本当に、10年間、お疲れ様でした。

10年という節目を迎えて、何かが急に変わるわけではないと思います。

まだ、癒えない傷があると思います。
街の傷も、心の傷も、痛む傷もあると思います。
まだ、頑張らなくちゃいけないこともあると思います。

簡単には言えない言葉だとわかっています。
言われなくても頑張らなきゃいけないこともわかっています。

でも、やっぱり言わせてください。
僕は、この言葉に一番支えられてきた人間だと思うので、その言葉が持つ意味を、力を一番知っている人間だと思うので、言わせてください。

頑張ってください

あの日から、皆さんからたくさんの「頑張れ」をいただきました。
本当に、ありがとうございます。

僕も、頑張ります

2021年3月
羽生結弦

易しい言葉で綴られた文章から

結弦さんを貫く被災地への強い思い、
そして明日への力強いエールを感じました。

どんな飾りたてた言葉より
すっと心に届く言葉でした。


この数日はニュースで震災から10年を意識することも多かったけれど
いつもより少し忙しかった

2021年 3月11日今日は

黙祷のタイミングも逃してしまいました。



1日を終えてから
今、この演奏を聴いていました。




大震災の翌年の演奏です。
力強いことこの上ない第九。
この演奏を聴くと人は繋がっているんだと思います。
一人じゃないと。


この演奏を指揮される佐渡裕さんの被災地への思いを語られた言葉を
ブログに書き留めてありました。

音楽というのは、1人でやれるものではないので、必ず誰かと一緒。楽しむのも、演奏会を作るのも、人と人が繋がってこそ、音楽なので、そうした意味でも、東北も熊本もまだまだなので、全力を注ぎたいと思います。 
(2017年の言葉より)

 当たり前に歌いたい、音楽を聴きたい。そんな思いをしてきた人がここにはたくさんいる。音楽は自らを応援してくれ、つらいときにはともに泣いてくれる。そんな心のビタミンを届けたいと思った。復興は街の形だけではない。
(2014年の言葉より)

佐渡さんのコンサートに今までに何度か行く機会に恵まれました。

熊本地震から間もなくのコンサートでは、
終演後、汗も拭わず、自らロビーで募金箱を持たれました。 
みるみる埋まる募金箱。
大きな手で一人一人握手してくださり、「ありがとうございます」
と。
自身の影響力を十分ご存知の上で、
先頭に立たれる姿はほんとうに力強かったです。
以来、好きな指揮者から尊敬する人になりました。

2人の尊敬する人を通して、
自分なりの思いを持つことの出来た一日でした。



さあ、明日はまた新しい日。
明日を迎えることが出来ることは
本当に有難いことだと心に留めながら
また元気に過ごしていこうと思います。

あまりに久しぶりにブログを書いたので
なんだか戸惑ってしまいました。

わたしは元気です。

                 かれん