小林愛実ピアノリサイタル 入善コスモホール公演 鑑賞記 | 寄り道だらけの日々〜いつも心に音楽を〜

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気ままに書いています。
クラシック音楽が大好き。
ピアニスト角野隼斗さんの
垣根を越えた類い稀な自由な音楽性に魅了させられています。


先日書いた角野隼斗さんの金沢でのツアーの明くる日、
今度は地元の入善コスモホールへ小林愛実さんのリサイタルを聴きに行って来ました。




角野さんと小林さん、今をときめく二人の演奏を連日で!
なんだかもったいない気がするくらい贅沢だけど、重なる時ってあるものよね。
今回はそうねー、例えて言うなら、最高級のシャインマスカットとこれまた最高級のメロンをいっぺんに!
どっちがどっちかなんてわからないけれどそんな超贅沢な感じ。

今日は地元の友人と一緒。このホールは自宅からすぐ。
3時開演なので、まずは腹ごしらえ。
つもる話をしつつゆっくりしたいので、かれん家で簡単ランチ。

デザートのプリン😊


腹ごしらえをバッチリして。


そして、

音楽好きの方にはそれぞれお気に入りのホールってあるんじゃないかと思いますが、

私はこの地元の「入善コスモホール」がそのひとつです。

は地方の小さな町立のホールだけど、本当にとっても素晴らしいホールです。

何が素晴らしいって音響がとってもとっても良いのです。


500席余りの大きさでどの席からも全て見やすく、聴きやすく、

30年前に作られたホールですが、

座席はゆったりとして座面も柔らかくとても楽。

その昔、ホール設立当初、バブル時代のふるさと創成金(覚えていますか?笑)の一億円を使って

ベーゼンドルファーインペリアルを買い、その後、スタインウェイ、ヤマハのコンサートグランドと小さなホールだけどとてもよいピアノが3台あります。

30年前中村紘子さんのコンサートで柿落としされました。


本当に地元の身贔屓抜きで、

ピアノや室内楽など音が柔らかく美しく響き、とにかく音が心地よいのです。

本当に素晴らしいので、遠くの方にもぜひ!機会があれば聴きに来ていただきたいです✨


アルゲリッチもダンタイソンも、シャルル.デュトワ&モントリオール交響楽団もかつてこの地方の小さなホールでこの演奏しています。

このホールで、この1年くらいの間に私が行ったものだけで、

牛田智大さんソロ、牛田智大さん松田華音さん二台ピアノ、オーケストラアンサンブル金沢と井上道雄さん&神尾真由子さん、、アンサンブル金沢&石丸幹二さん、小曽根真さん、大井健さん、奥井志麻さん&中瀬智哉さん、小林愛実さん。

わりと公演数も多いので、

なかなか遠くに行きづらい地方住みの音楽ファンには本当にありがたいです。


チケットも取りやすいし。

ホールには来年の素敵なお知らせが貼ってありました😊



2日間、コンサートを聴くことにして、近くの黒部宇奈月温泉にお泊まり旅などいかがでしょう?笑

東京から北陸新幹線2時間半で最寄り駅です。

ホールはローマの回廊のような外観です。


ここまでで、宣伝終わり!


注:ホールと個人的関係はありません念のため笑

https://www.toyama-brand.jp/TJN/?tid=102453




さて、コンサートに話を戻し、

昨年のショパンコンクールの4位入賞で時の人となった小林愛実さん

その繊細の極みというような音、音楽の魂が憑依したような表現力で、

コンクールの配信を聴いていっぺんに好きになってしまいました。





プログラムは


J.S.バッハ/パルティータ第2番

ブラームス/4つの小品

ショパン:スケルツォ全曲


シャンパングレーのショパンコンクールと同じドレス姿の小林さんが登場。

コンクールで見たように胸元の♪のネックレスに触れて集中して。


バッハは大好きで、

パルティータ2番はいろいろな人の演奏を聴いていたけれど、

小林さんの演奏はこれ以上弱く出せないギリギリの弱音と深い強音の対比が印象的。

バッハというと、仄暗い冷たい空気の中灰色の中世の石畳を弱雨が濡らしているような、

しんとした情景が思い浮かぶのですが、生き生きとした表現ももありかつ、とても繊細で詩的でじっと聴き入ってしまいました。


続くブラームス、四つの小品

1番は繊細の極みの弱音が叙情的で。月明かりの下、人生を回想しているよう。

心から耳を傾けて聴きました。

4番は椅子から飛び上がりそうな迫力もあり、大げさではないのに本当に表現豊か。

小林さんのブラームス、月並みだけど、どうしてあんなに美しいの?っていうくらい

美しくて素晴らしかったです。


小林さんの演奏を聴いていると、

月から降りてきたかぐや姫が丁寧に鍵盤で美しい音楽を奏でているようなそんな風に想像してしまいます。


休憩後は

おまちかねのショパン!

今回のツアーではスケルツォ4曲。

私、スケルツォシリーズ大好き✨それぞれにドラマティックで美しくて。

特に!1番と3番が好きなんです。

3番の星が降ってくるような部分が特に!

小林さんのショパン、やっぱりすごくいい♡

前半のプログラムでは弱音の美しさが際立っていたけれど、

スケルツォ、すごい迫力!グイグイ引き込まれて、本当にあっという間でした。


が!ここでだけ言うけど、4番の途中から何かにむせたのか無防備に大きな咳を30連発くらい響かせていた方がいらして、

生理現象だから少しくらいは仕方ないと思うけど、せめてハンカチで抑えるとか、ペットボトルの水を飲むとかそっと席を立つとかなんとかしてほしかったです。きっとホール全ての人が同じ気持ちだったと。最後の曲、半分くらいオウエッホンッ!というデッカイ咳と共にだったから。あんまり残念だったからここでこっそり文句を言わせてください笑。


で、アンコールです!

小林さんと言えば、ショパンコンクールのセミファイナルでの24のプレリュードがあまりにも素晴らしかったので少しでも聴きたいなぁと思っていたら、



まずは、優しい歌に溢れた「17番」を。

柔らかな響きでうっとり。耳が幸せ♡


アンコール2曲目は「4番」

もう、この世の哀しみを全て物語るようなこの曲は、心の奥にしまいこんだものを思い出すような、そんな心をえぐるような小林さんの表現に胸が痛くなるよう。


最後は明るく優しいワルツで。

鳴り止まない拍手、立ち上がる方もいらして小林さんも嬉しそう。

いろんな表情の演奏が聴けて、大満足の演奏会でした。


本当に聴く人を惹きつける他の誰とも違う魅力あるピアニストさん。

とにかく集中力と表現したいことの芯が通っているのがすごい、桁外れだと思います。

聴く方も本当に一瞬一瞬すごく集中して聴くのでクタクタになりました。


そしてご本人も素敵。本当にかぐや姫みたい♡




コンクールでのプレリュードの4番 心がぎゅーっとなります。


音楽って本当にいいものですね♡


かれん