星野リゾートが東京・大手町に高級日本旅館をオープン | ☆___________「財界」日本経済を斬る!!!

星野リゾートが東京・大手町に高級日本旅館をオープン

「日本のおもてなしを世界に届けたい」


日本のおもてなしを表現する上で、世界のトップブランドが集まる東京は重要な場所」(星野リゾート社長・星野佳路氏)



リゾート施設の運営で成長してきた星野リゾートが、2016年を目途に東京大手町に日本旅館『星のや東京』を開業する。



三菱地所が14年に着工する日本政策投資銀行旧本店ビル、公庫ビル、新公庫ビルの3棟を解体して2棟のビルに建て替える大手町の連鎖型再開発の一環で、『星のや 東京』は東京駅の北西約500㍍の場所に地上18階、地下3階のビル1棟丸ごとの日本旅館としてオープンする。客室数84室。客室平均単価は1人1泊5万5000円。利用客の半分に外国人を見込む。



リゾート地と異なり、ビジネス客が増える立地だが「地域らしさを大事にする点は変わらない。地方で培ってきたものを東京で実践していく」(星野氏)方針。



外国人観光客の約6割が東京に宿泊していることから、東京らしさを日本らしさと捉え、「日本のおもてなし」を全面に出したサービスで勝負する。入口で靴を脱ぎ、エントランスからエレベーターまで畳敷きにするなど、建物も和風にこだわる。



星野リゾートにとって、東京進出は海外進出の布石でもある。


「東京で勝てなければ、世界で勝つことはできない」からだ。



1980年代、米コーネル大学に留学していた星野氏は、日系ホテルの海外進出を目の当たりにした。だが、それらはうまくいかなかった。「日本車は、世界の大都市で走っている。評価の高い日本のおもてなしを、世界のホテルを選ぶうえでの選択肢の一つとして定着させていきたい」と星野氏は話す。



世界のホテル経営は、所有と運営の分離が進んでいる。特にアジアには世界各国のホテルが進出しているが、アジアの成長に伴い人件費が上がり、効率経営が必要な時期に入っている。そうした中、星野リゾートは、バブル崩壊後の日本で「ホテル運営の生産性を高めながら、顧客満足度を犠牲にしない経営を実践してきた」強みがある。



東京進出で世界に存在感を示すことで、世界のホテル運営にも進出していく──。東京で勝負する意味は、そこにある。