新関空の運営権売却にも影響か ピーチ突然の失速に心配の声 | ☆___________「財界」日本経済を斬る!!!

新関空の運営権売却にも影響か ピーチ突然の失速に心配の声

慢性的な機長不足



関西国際空港を拠点とする格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションが必要な機長を確保できないとして2000便超を減便することになった。



相次ぐLCC参入で航空業界では機長不足が深刻になっていることが背景にあり、好調ゆえに進めた路線拡張や増便が思わぬ「落とし穴」になった。



関係者によると、同社に在籍する機長は52人と、必要としていた62人を確保できず、在籍者でも8人が病気などで搭乗の見込みが立たなくなった。機長のオーバーワークというより、機長の厳しい乗務基準に満たなくなった側面が強いという。



ピーチの井上慎一最高経営責任者(CEO)は「機長の(需給)逼迫は想定していた」としており、今後は健康管理の徹底と新規採用を強化するという。



航空業界では2030年には、世界で現在の2倍を超える98万人の機長・副操縦士が必要になるとの予測がある。最近でも、LCCの参入で日常的に機長不足となり、奪い合いが続いている。国内では2008年にスカイマークが機長の不足を理由に633便を欠航したことがある。


かつて機長の草刈り場となっていた破綻後の日本航空も再上場を果たすなど復調が鮮明で争奪戦は激しさを増していた。ピーチでも最近は新規採用者を対象に自前で機長の育成を進めているが、副操縦士の昇格は計画通りにはいかなかった。



今回の欠航はLCCを成長の柱に位置づける新関西国際空港会社の経営に影響しかねない。円安などで関空を利用する外国人旅行客が増えている中、関西の財界人には「新関空会社の運営権売却に影を落とすだけでなく、関西での観光客の減少などにもつながりかねない」と心配する声が上がっている。