サッチャー元首相のホロスコープ |  ZEPHYR

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「鉄の女」と呼ばれた、イギリスの元首相がこの世を去った……。

私の記憶には、非常に強い印象を残している政治家で、ロナルド・レーガン大統領や、日本の中曽根康弘首相などと共に並び立っている図が、なにげに頭に浮かんできます。

非常に保守的で強硬な姿勢を持つ首相として知られ、「鉄の女」という異名を自ら気に入っていたという彼女。

どんなホロスコープなのか、ひも解いてみました。


すると、すぐに目につくのは、アセンダント上にある土星。

「鉄の女だ!」と思ってしまいました。

占星術の天体には、それぞれ鉱物が割り当てられていて、じつは「鉄」は火星です。
土星ではない。土星は鉛などです。

ところが、もし火星がアセンダント上にあるのなら、たぶんもっと違った呼び名が与えられたはずです。
たとえば火の女性とか。

火星は攻撃性や積極性、怒りなども表現しますが、この火星の人間の性格への出方は、「鉄」というイメージではない。

むしろ、土星のほうが人間性にも厳格なものを与えやすく、鉄の女という印象により近づくことになります。

この土星は、彼女のあらゆるところに顔を出しているだろうと思われます。

首相就任後、実現を目指した「小さな政府」や赤字経済の克服。
これらは今でも、彼女の仕事として高い評価を受けているものですが、この土星の厳しさがなければ実現できなかったものでしょう。

ちなみに土星には、制限や節約、無駄の削減などの意味もあります。


そもそも占星術の天体の中で、「政治家」という意味につながりやすいのは、太陽と土星、この二つです。
単独でそのような意味を持つのは、権威的な力を持つこの二つしかないわけです。

そのうちの一つを、自分の出生時に抱えて生まれてきた。

やはり宿命的なものを感じます。


一転して、1ハウスには射手座の金星があり、これが新しい自由主義に一役買っていそうです。
が、プライベートでは全く違った面を持っていたのかもしれませんね。

明るく、楽しい素顔も持っていそうです。


政治家の業績は、いかに称えられる側面があっても、裏側にはマイナス面も存在しています。
これは避けて通れない部分もあるでしょう。

彼女の土星的な切捨て、削減の被害を受けたと感じる民衆もいると聞きます。

しかし、それでもなお。

彼女がイギリスの一つの時代の節目に出現した、強いリーダーであったことは疑いのない事実です。
ご冥福をお祈りいたします。