「旅から学ぶ」 ①   | 「バックパッカーがH・Ⅰ・Sの役員になった奇跡」小さな会社の未来の創り方

「バックパッカーがH・Ⅰ・Sの役員になった奇跡」小さな会社の未来の創り方

出来ない事はやらないことだとHIS創業者「澤田秀雄」氏から学んだ。ベンチャー魂と自ら経験した多くの失敗が成長の奇跡を創る。伝える事よりも伝わること!直ぐに実践したくなる、熱き魂に触れてください。

「旅から学ぶ」 ①     2016年8月号 大野 尚

 旅から多くの事を学んだ。

19歳から始めた海外への旅、40年間120カ国以上、数百回の渡航から学んだ事は数多くある。

「見識」とは違う、自らの体験から得た「暗黙知」の様なものだ。

先日、7名の友人を伴って、「南イタリアのアグリツーリズモと5つの世界遺産と古代建築から学ぶ」と大風呂敷を広げたテーマでレンタカー2台を借りて総勢8名・現地滞在5日で1500kmを周遊。・・・旅自体は思い出深い良いものになったと思うが、トラブルの続きの旅となった。昔からトラベルはトラブルとダジャレのネタになるほど旅に問題はつきものであることは承知している。僕一人なら良い。多くの困難を回避し対処して来た。今回は8名のグループである。5泊6日という短期間で各地のホテルも予約済、航空機の日程は変更不可。スケジュール優先が大前提である。

初日、僕達は香港経由で予定より40分早く朝6時20分にローマに到着。

荷物をピックアップして国内線に移動。・・・目指す、ア社のカウンター付近は大混雑。日本でネット予約した便を自動搭乗発券機で発券するも荷物タグが出てこない。出てこないから、その辺の係員に訊くが相手にしてくれない。相手にしてくれないのを無理やり訊くがカウンターに並べと言う。カウンターは長蛇の列。それも、なが~い行列はちっとも進まない。あっという間に残り40分。バゲージのドロップオフも出来ていない。このままでは間に合わない。レンターカーは現地到着後の時間+30分で予約している。次の便は夜しかない。チケットは格安で変更できないFIXチケット。企画立案手配のツアーリーダーの僕は10時間以上もココで皆を待機させるわけにはいかない!それにしても、なぜ?列が進まないのか? よく見れば、現地航空会社のスタッフ達はこの混乱した状況に対処出来ずに開き直って役目を放棄している。その辺でウロウロしているスタッフは役に立たない!そう決めた僕は、やるしかないと決めた。時計の針は出発まで30分を切っている。・・・カウンターの係員を一瞥し左から2番目の彼女だと決め(この人だと見極める事が大切です。)縦に並ぶ行列を無視して、カウンターに平行した横から荷物も持たずに、何気なくスルーっとこの人だと決めた女性係員の前に入り込む。パスポート見せ、一言、「大事なミッションでバーリに飛びます。」「我々8名の荷物のタグが発券されず、ドロップオフも出来ません。時間がありません。」「日伊の友好の為に助けて下さい。」「あなたはとても親切です。本当に有難う。」(アピールする。褒める事はとても大切です。)・・・すると彼女は一人一人ココに呼びなさい。

 仲間に合図を送り、一人ずつチェックインを行う。行列に並ぶ人々。数人の感情により膨れ上がったおばさん達が「ぎゃぁ!ぎゃぁ!」と騒いでいる。「なんだ!彼等は?」「なぜ?彼等は並ばないのだ?」・・・そうだね、ごめんなさい。僕らは間に合わない。配置された係員は日本人の僕らを相手にしてくれない。だからね、割り込みはいけない事だとわかっちゃいるが、ごめんなさい。

・・・と思いつつ。無事にバゲージタグを8名分受取り全てドロップオフ完了。早足でセキュリティチェック、ゲートへ・・・なんとか間に合いました。

 1時間後、目的地のバーリに到着。

数十分後、荷物受取ターンテーブルには多くの人が自分の荷物をピックアップしていく。僕らのメンバー6名も早々とピックアップ。「いよいよ始まる旅へのト・キ・メ・キ」を感じる一瞬だ。・・しかし、僕とWさんの荷物を残し、バゲージコンベアーは虚しくラストコール。・・・そう、ロストバゲージへの申請に重い足取りで向かう。・・・更に困難は続く。次回へ